PMIが大幅に低下。米国経済もようやく落ち着くのか。

米国の企業活動は低下傾向にありそうです。昨日発表されたPMIは企業活動の低下を示しており、経済の勢いが鈍化していることが確認されました。インフレの強さを背景に金融政策が引き続き厳しく継続されそうな状況下で、このような事態が起きているということは非常に憂慮すべき状況なのかなという感じです。

PMIが大きく鈍化

昨日発表された4月のPMIは拡大ペースが非常に鈍化していることが確認されました。

米国の企業活動は4月、拡大ペースが今年に入ってからの最低水準となった。需要低下を受けて、雇用が2020年以来初めて縮小圏に陥ったことが背景にある。S&Pグローバルが購買担当者指数(PMI)速報値を公表した。

  総合指数の受注は6カ月ぶりに縮小圏に沈んだ。

  総合の雇用指数は3.2ポイント低下の48。サービス業の雇用減少と製造業の成長鈍化を反映した。一方、販売価格指数は10カ月ぶりの高水準から低下した。

  S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は発表文で「米国の経済活動は第2四半期(4-6月)に入って勢いを失った」と指摘。「4月は新規ビジネスの流入が6カ月ぶりに減少し、先行きに対する懸念の高まりから、企業の生産見通しは5カ月ぶりの水準に落ち込んだ」と述べた。

  その上で「ビジネス環境が厳しさを増したことで、企業はコロナ禍初期のロックダウン期間を除けば、世界的な金融危機以来のペースで人員を削減した」と続けた。

  雇用の縮小は、企業が現在の生産能力で需要に十分対応できると判断していることを示唆している。受注残は依然として縮小圏にとどまった。

引用:bloombergより

このように米国の企業活動は確実に勢いを失いかけています。これまでは雇用や個人消費など底堅い経済指標を背景に、堅調な米国経済を感じさせるものが多くありましたが、PMIに関しては経済の鈍化を示唆するものであり、今後の状況について懸念をもたせるようなものであると言っていいでしょう。そういう意味では非常に気になるところではあります。

最悪の状況になるかのせいも否定できない

流石に米国経済も力強さを失いかけているのかなという感じです。これだけインフレや緊縮を続けていれば経済も落ち着くのは当然だろうという感じはします。そういう意味でもようやく落ち着きを見せたのかもしれません。しかし、PMIだけでインフレの落ち着きを判断することはできませんし、まだまだ油断はできないと思います。実際、このように経済失速を思わせる経済指標が発表されたあとも雇用や消費が強く、市場の予想を裏切るような形でインフレが強く続いてきたという事実は変わりません。そういう意味でも今回のことを受けて、インフレが急速に落ち着いてきたということはできないでしょう。むしろ、インフレが落ち着かないのに景気が失速するという最悪の状況になる可能性も十分頭に入れておいたほうがいいのかなという感じがします。

まとめ

今日は4月のPMIについて見てきました。米国経済はやはり力は落ちてきていることは確実なのだろうと思います。しかしながら雇用も強く、消費もまだまだ底堅いということでインフレ懸念も残るという形です。そういう意味ではそのバランスがいつ崩れるのかが非常に気になるかなと感じています。