RPMインターナショナルが先月の増配で連続増配年数を48年に伸ばす。

RPMインターナショナルは10月7日、配当を前年度から5.3%伸ばし、一株あたり0.4ドルとしました。これで48年連続での増配となります。そして、配当王と呼ばれる連続増配年数50年まであと2年です。私としては、この連続増配年数48年という数字だけで、非常に興味が湧いてきます。これだけ長い年月、配当を増やし続けるというのは非常に大変だと思います。それだけ優秀な事業と経営者がいたということでしょう。そういうわけで今日はRPMインターナショナルについて見ていきたいと思います。

事業内容

RPMインターナショナル(RPM International Inc)は、子会社を通じて、主にメンテナンス及び改善用途向けの特殊塗料、インフラストラクチャのリハビリと修理製品、保護コーティング、屋根ふきシステム、シーラント、接着剤等の特殊化学製品ラインの製造・販売を行う。【事業内容】コンシューマーグループ(CG)、建設製品グループ(CPG)、パフォーマンスコーティンググループ(PCG)、特殊製品グループ(SPG)の4つのセグメントで事業を行う。「Rust-Oleum」、「DAP」、「Zinsser」、「Varathane」、「Day-Glo」、「Legend Brands」、「Stonhard」、「Carboline」、「Tremco」、「Dryvit」等の数百のブランドを持つ多様なポートフォリオがある。

引用:investing.comより

RPMインターナショナルは特殊塗料や接着剤などの化学製品を扱う会社のようです。大きく4つの事業があり、コンシューマーグループ(CG)、建設製品グループ(CPG)、パフォーマンスコーティンググループ(PCG)、特殊製品グループ(SPG)に別かれています。コンシューマーグループ(CG)の製品は、住宅のメンテナンスと改善に使用するために用いられ、主にホームセンター等で販売されています。その主要なブランドは、米国とカナダのほぼすべての店舗で取り扱われていて、ヨーロッパ、オーストラリア、南アフリカ、南アメリカでも存在感を増しているようです。建設製品グループ(CPG)の製品は約130の国と地域で販売されています。その製品は、主にさまざまな産業、商業、建設プロジェクト、保守、修復に使用されているようです。パフォーマンスコーティンググループ(PCG)および特殊製品グループ(SPG)の製品も世界中で販売されていて、特にニッチな分野で利用されて商品が多いようです。

参照:RPMインターナショナル ホームページより

通期業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

営業利益は若干上下していますが、おおむね右肩上がりの良いグラフなんじゃないでしょうか。売上高も強くはないですけれど、右肩上がりのグラフを描いています。大きな業績拡大傾向はありませんが、着実に利益を伸ばしているところは非常に好感が持てます。安定志向の私としては非常に興味がわくグラフです。

株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

こちらも緩やかではありますが、右肩上がりのチャートで非常にきれいな形を描いています。ここ最近は若干下落傾向ですが、最近ようやく陽線が出てきて、上向きに転換したのかなという感じです。何とかここで踏ん張って右肩上がりのチャートを維持してもらいたいものです。

セグメント構成

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

先ほども述べた4つのセグメントがきれいに分かれていて、いろんな用途の製品を販売し、利益を描ていることがよくわかります。こういう企業は、一つの分野がおかしくなっても、他の分野でカバーできるので、いきなり大きな減収にはなりにくいでしょう。そういう意味でも、非常に安定感を期待できる企業だと思います。

セグメント業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

パフォーマンスコーティンググループが若干落ちていますが、他の3分野が順調に伸びているので会社全体としては順調とみていいでしょう。特にコンシューマーグループの伸びがいいようです。他の3分野が順調なうちにパフォーマンスコーティンググループについても業績改善をしてほしいものです。そして、より強い業績の向上を期待したいです。

年間配当履歴

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

こちらも右肩上がりの非常にきれいなチャートを描いています。48年連続増配の安定感はさすがといったところでしょう。あまり増配幅は大きくなさそうですが、地道に株主還元を増やしているところは好感が持てます。

配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当利回りは若干低めです。個人的にはもう少し期待したいところですが、こういう優良物件はなかなか配当利回りは高くはなりにくいのが現状です。なので、しょうがないのかもしれません。配当性向は40%台とまだまだ資金に余裕はあるようです。これからも安定した配当金と増配を期待できるでしょう。

PER

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

PERは22.4と高くはありません。過去5年間の推移と比較してみても、現在は非常に低くなっています。そういう意味でも今は投資するいいチャンスかもしれません。十分に検討する価値はあるでしょう。

貴族株指標

  • 増配年数 48年
  • 配当利回り 1.96%
  • 1年増配率 3.55%
  • 3年増配率 6.19%
  • 5年増配率 6.71%
  • 10年増配率 5.87%
  • 配当性向 39.38%
  • PER 20.12

参照:U.S.DividendChampions 2021/09/30より

連続増配年数は48年と非常に優秀です。配当王と呼ばれる連続増配年数50年まであと2年というとこまで来ています。ぜひとも記録を伸ばして、配当王になってほしいものです。配当利回りは1.96%とあまり良くはありません。これだけ優秀な会社ですから投資家からの人気もあるでしょう。そういう株は価格が上昇しやすいので配当利回りも低下しがちです。増配率はそこまで高くはないです。10年以上、二桁で伸ばしている企業もありますから、このへんは若干物足りないかもしれません。しかし、大きく減らすこともなく、着実に配当を増やしてきている姿勢は、非常に素晴らしいと思います。配当性向は40%未満と、まだまだ資金に余裕はありそうです。しばらくは配当資金に困ることはないでしょう。PERもそこまで高くはありません。投資する価値は十分にありそうです。

まとめ

今日はRPMインターナショナルについてまとめてみました。急成長を期待できるわけではないけれど、非常に安定した業績と配当を期待できる、長期投資家向けの良い企業だと思いました。特殊塗料の業界については詳しくはありませんが、PPGインダストリーズなど他の塗料会社も比較的安定した業績を残しているように思います。ここまで安定した業績を残せるというのは業界内で無駄な価格競争をしていないのかもしれません。そうであれば塗料業界というのは投資家にとって安定的なキャピタルゲインと、インカムゲインを期待できる優良株が豊富にある可能性があります。そういう意味でも、特殊塗料業界には要注目でしょう。今後もRPMインターナショナルと合わせて観察していきたいと思います。