バフェット氏が米国債に対して楽観的な見解を示す。

今週は米国債の突然の格下げによって大きく相場が動きました。世界第一位の経済大国の国際がまさかの格下げということで市場に与えるインパクトはかなりの大きさとなった格好です。このことによっていろんな動きが出てきましたが、個人的にはそれほど気にする必要はないのかなと思っていました。そして著名な投資家であるバフェット氏も米国債に対してポジティブに考えていることがわかり、その考えは間違っていないのだろうと思っています。

米国債は心配なし?

先日、格下げによって大きく揺れた米国債ですが、その価値についてバフェット氏は全く心配ないとの見解を示しました。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイは、フィッチ・レーティングスが米国を格下げした後も変わらず米国債を購入している。

  バフェット氏は「バークシャーは先週月曜日に米国債を100億ドル(約1兆4300億円)購入した。今週の月曜日にも100億ドルの米国債を購入した。来週の月曜日について唯一の問題は、100億ドルを3カ月物の財務省短期証券(TB)で買うか6カ月物で買うかだ」と米経済専門局CNBCで語った。「心配しなくていいこともある。これはその一つだ」と述べた。

  フィッチは1日、米財政赤字の拡大と、債務上限引き上げを巡って繰り返される政治的対立の激化を理由に、米国のソブリン格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げた。米政府が2年半ぶりに四半期入札規模の拡大を発表したのは、その翌日だった。

  格下げを受けた市場の反応は穏やかだったが、今週の長期債パフォーマンスは今年最悪になると予想されている。格下げに加え米国債の入札規模拡大、日本銀行のイールドカーブコントロール(YCC)調整、米国の強い雇用データが重なり、米国債の需要を直撃した。

  一方、米利上げで利回りが過去10年余りで最高水準に押し上げられたため、バフェット氏が月曜に購入すると述べたTBには旺盛な需要がある。今週月曜(7月31日)に行われた6カ月物の入札では、2021年3月以来の強い需要が見られた。

  バフェット氏と対照的に、パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントの創業者、ビル・アックマン氏は2日遅くにX(旧ツイッター)への投稿で、長期金利の上昇が株価に与える影響に対するヘッジとして、また純然な売り持ちとして、30年物国債を「かなりの規模で」ショートにしていると明らかにした。

引用:bloombergより

このようにバフェット氏はフィッチが格下げした米国債に対して楽観的な見方を示しています。今週は格下げによって債券市場も株式市場も大きく動くこととなりました。しかし、実際米国が債務不履行などの事態に陥る可能性というのは限りなく低いと言わざるを得ません。もし米国がそのような機器にあるのだったらその前に日本がもっと大変なことになっているはずです。もちろん日本だって楽観できるような状態ではないとは思いますが、そのような状態には程遠く、直ちに心配するような事態でないことはマーケットを見れば明らかです。そういう意味では米国がそれほど危機的ではないと思いますし、今回の格下げについてもそれほど深刻に考える必要はないのかなという感じがします。

格付け会社の言うことは鵜呑みにしないほうがいい

今回の格付け会社の動きというのは正直あまり気にする必要はないでしょう。格付けの仕組みなどの詳しいことはよくわからないので、なぜこのようなことになったかわかりませんが、少なくとも我々が想像するような危機的な状況だから格下げが行われたということではないと思います。米国も問題を多く抱える国ではありますが、流石にそこまでではないでしょう。それに格付けが必ず正しいという保証はどこにもありません。あくまで数多くある見解の一つというだけであり、間違うことも多々存在します。かつてリーマンショックが起きた際、その震源地となったリーマンブラザーズは破綻するその時まで格付けは最高ランクのAAAでした。そういう意味ではあまり格付けというのはその破綻リスク等を正確に反映しているものではないということを認識する必要がありますし、過度に悲観的になることもないということです。

まとめ

今日は米国債の格下げのニュースについて見てきました。バフェット氏が言うとおり、米国債についてそれほど悲観的になる必要はないのかなという感じがします。何より格付け会社の言うことをそこまで信用できないというのが一番のところです。そういう意味であまり深刻に捉える必要なないのかなと思います。