新規失業保険申請件数は非常に低水準。労働市場は依然タイト。

インフレが高く停滞する中、労働環境は依然としてタイトなようです。先週申請された新規失業保険は市場予想を大きく下回り、引き続き労働市場が堅調であることが確認されました。インフレが強いことに加え、金融不安が吹き荒れる中においても雇用は強さを維持しています。

新規失業保険申請件数は未だ低水準

先週一週間に申請された新規失業保険申請件数は市場予想を大きく下回り、依然労働市場は堅調であることが確認されました。

米国では先週、新規の失業保険申請が予想外に減少した。減少は2週連続。雇用主が人員削減に消極的で、労働市場が依然タイトな環境にあることが浮き彫りとなった。

  今回の統計は、過去1年の米利上げをよそに、労働市場がおおむね堅調さを維持してきたことを示している。失業保険申請件数は歴史的な低水準付近で推移し続けており、雇用の創出は依然力強い。

  ただアマゾン・ドット・コムやメタ・プラットフォームズなど、人員削減を発表する企業が増えており、いずれは失業保険申請の統計にもそうした削減が反映されると市場はみている。

  一方、最近の銀行破綻が労働市場に与える影響はまだ不明だ。ただ、貸し出し基準の厳格化と借り入れコスト上昇により経済が圧迫される可能性は高い。

  変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は、やや減少し19万6250件。

  季節調整前ベースでは、申請件数は21万3425件に減少。州別ではカリフォルニア、イリノイ、ニューヨークで大きく減った一方、インディアナでは大幅増となった。

引用:bloombergより

このように、労働市場は依然として堅調です。インフレが未だ落ち着かず、金融当局の引き締めが強くなっているのにも関わらず、雇用は強いままです。いつ落ち着くかと、かなり前から思っていたような気がしますが、その時は未だに訪れていません。メタなど大手IT企業を中心に大幅な人員削減は続いており、そのうち労働市場も悪化してくると思われていますが、なかなかその気配は感じられないなという印象です。労働市場が堅調であることはいいことですが、インフレが強すぎる現在、素直に喜べないというのが実情です。労働市場が強いままではインフレはなかなか落ち着くことはないでしょうし、FRBも引き締めの手を緩めることはないと思われます。そういう意味ではなかなか複雑な状況であると言えるのかもしれません。

いつ労働市場は変化するのか

労働市場の強さというのはどこまで続くのだろうかと本当に不思議に思っています。正直ここまで労働市場が強さを維持できるとは思っていませんでした。ここまで急激に引き締めを続け、企業業績も悪化し、人員削減も日々発表されている中、失業保険申請件数が一向に上昇しないというのはある意味理解不能と言っていいのではないでしょうか。いつかはこの傾向にも変化は出てくるとは思いますが、そんなことを言い出してもう随分立つような気がします。もしかしたら本当に労働環境が悪化せずにインフレが収束するなんてことがあるのだろうかと思ったりもしてしまうところです。ただ、最近の金融不安もあり、先行きはさらに不透明感と強めています。そういう意味では流石にそろそろ悪化してくるのではないかと思っています。

まとめ

今日は新規失業保険申請件数について見てきました。本当にいつまでこの好調な労働市場というのは続いていくのでしょうか。これだけ企業業績が悪化し、将来に対する不安が日々悪化していく中、労働市場だけがタイトというのは本当によくわかりません。これがいい兆候であるのであればいいのですが、流石にいつまでもこの流れは続かないでしょう。そういう意味ではあまり楽観的にはならないほうがいいと思います。