75bpでの利上げが決定。今後はやや緩やかになるか。

26日と27日に注目されていたFOMCが開催され、FF金利の誘導目標が75bp引き上げられることが決定しました。一時期は100bpでの利上げになるのではないかとか、景気減速を懸念して50bpになるのではないかという声も聞かれていましたが、大方の予想通り75bpでの利上げということになりました。これはいい意味でサプライズがなかったといっていいのかなという感じです。為替市場も大きな動きはなく、落ち着いていたように思います。そういうわけで今日は先日発表行われたFOMCについてみていきます。

75bpでの利上げが決定

26日から27日にかけて、米国経済にとって非常に重要なイベントであるFOMCが行われました。そこでFF金利の誘導目標が75bp引き上げられることが決定されました。以下がFOMCの声明文となります。

 最近の支出や生産に関する指標は鈍化した。それにもかかわらず、雇用の伸びはここ数カ月間堅固で、失業率は低いままだ。インフレ率はパンデミックに関連する需給の不均衡、食料品やエネルギー価格の上昇、より広範な価格圧力を反映し、引き続き高止まりしている。

ウクライナに対するロシアの戦争は、多大な人的および経済的困難を引き起こしている。この戦争と関連する出来事がインフレにさらなる上振れ圧力を生み出しており、世界経済活動の重しとなっている。委員会はインフレのリスクを非常に注視している。

委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す。これらの目標を支援するため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを2.25─2.50%に引き上げることを決定し、目標誘導レンジの継続的な引き上げが適切になると予想する。さらに、5月に公表された「連邦準備制度のバランスシート規模縮小計画」で説明している通り、委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける。委員会は、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む。

金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する。もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある。委員会の評価は、公衆衛生に関連する情報、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する。

引用:ロイターより

今回の決定は全会一致となったようで、市場にとっても心強いものとなったでしょう。依然としてインフレが非常に高いという事態の中で景気の減速を示すような経済指標も出てきてることから大変難しい決定だったのかなとも思います。ただ、そのような強弱の入り交ざった状態だからこそ100bpや50bpというような選択が全く考えられなかったのだろうとも思うところです。

次回はやや緩やかになるのではないか

今回のFOMCについてはまあ大方の予想通りといった感じだったのではないかと思います。問題は今後がどうなるのかというところです。次回9月のFOMCで、また今回のような75bpでの利上げが行われるのか、もしくは違うのかというのはまだわかりません。パウエル議長も今後についてはこれから発表される経済指標等によって決めると発言しており、何とも言えないところです。しかし、最近は景気減速を示す指標も多くなってきていることから次回は75bp以上での利上げの可能性というのはかなり低いのではないかt個人的には思っています。消費者物価の伸びは依然強いですが、不動産市場など多くの経済指標は景気減速を示すような結果となっています。そういう意味では次回の利上げというのは少し緩やかにすると思います。

まとめ

今回は先日行われたFOMCについてみてきました。まあ、予想通りの結果ということでサプライズはなかったかなという印象です。市場も落ち着いていますし、おそらく多くの人がそう思ったのではないかと思います。問題は今後についてです。個人的には今後は米国経済は結構減速していくのではないかと思っているので、利上げは緩やかになるのではないかと予想しています。インフレ抑制第一といってもあまりに景気が減速するようでは元も子もないのでその兆候が見られればそうなるのは当然だろうと思います。ただ、どうなるかはわかりません。あまり固定概念にとらわれないようにしたいところです。