不動産市場の落ち着きも良い兆候なのかな

落ち着きを見せ始めた米国経済ですが、その流れは不動産市場でも確認できるようになってきました。昨日発表された6月の住宅着工件数は市場予想よりも減少したものの、堅調なものとなっており、弱さを見せるような結果とはなりませんでした。最近はインフレの鈍化を示すような経済指標が相次いで発表される中、経済指標も落ち着きを見せつつ底堅さを残すものが多くなっており、FRBが目指すソフトランディングへの道のりを着実に進んでいるように見えます。

6月の住宅着工件数はまずまずの結果

昨日発表された6月の住宅着工件数は予想には届かなかったものの、大きく落ち込むことはなく、堅調な推移をしていることがわかりました。

米住宅着工件数は6月に減少したものの、なお底堅さを示した。前月は15.7%増と急増していた。

  前月が想定外に大幅増となっていたこともあり、6月の着工件数減少は再び弱含んだというよりは、安定化の兆しを示している。

  借り入れコストは高止まりしているものの、中古住宅の在庫不足と建設業者の販売促進策が相まって、新築住宅物件への需要は高まっている。6月は減少したが、それでも新型コロナウイルス流行前のトレンドを上回るペースだ。

  一戸建て住宅の着工件数は7%減少したが、今年2番目に高い水準となっている。一方、集合住宅の着工件数は10%近い減少。集合住宅の建設許可件数は昨年11月以来の大幅な落ち込みとなった。

  地域別では、一戸建て住宅建設は西部を除き全て減少した。

  住宅需要は堅調なものの、米金融政策の行方を巡る不透明感から、住宅建設に対しては慎重な見方が依然くすぶっている。

引用:bloombergより

このように米国の不動産市場は比較的堅調に推移しています。一時期は過熱感が見られたり、急激な金利上昇による住宅ローンの上昇など多くの懸念事項がありましたが、それらを無難にこなし安定的に動いているように思います。もちろんインフレはまだ収まっておらず、今後も厳しい金融政策は継続されるということで、金融不安などのリスクも残りますが、以前より考えられていたほどの悪い状態にはならないのではないかという感じがします。これだけ急激な金利上昇にもしっかり耐え抜いたということで改めて米国の不動産市場の力強さを確認する形となったのかなという感じがします。

今のところ順調かな?

今回の結果についても最近のインフレの鈍化と景気の適度な落ち着きを示すものと同じような結果であり、米国経済全体がそのような流れにあるのだということを再確認するものとなったような気がします。もうインフレがこれまでのような力強い上昇をするということはないと思っていいでしょう。そして今後懸念される経済の失速についても今のところはそこまで懸念するようなことはないのかなという印象です。インフレも力を失いつつも経済はそこまで大きく落ち込むことはないというある意味理想的な状況が出来上がっているのかなという感じです。もしかしたら本当にFRBが目指していたソフトランディングができるのではないかという期待も以前に比べると高くなってきているように思います。もちろんまだまだ油断はできませんが、現状は非常に良い状態であると言っていいでしょう。

まとめ

今日は米国の不動産市場について見てきました。こちらについても適度に落ち着きを見せつつ底堅さを残す結果ということで、非常に理想的な状況と言っていいでしょう。これが本当にうまく行けばパウエル議長は歴史に名を残す異形を達成したと言ってもいいのではないかというくらい理想的です。それだけにちょっと怖い気もしますが、とりあえずは良しとしておきましょう。