新規失業保険申請件数は先週も減少傾向が続く

米国の労働市場は引き続き力強さを残しています。昨日発表された先週一週間の新規失業保険申請件数は減少を示し、雇用の安定が続いていることが確認されました。雇用が安定しているということは消費にとって非常に良いニュースであり、今後も大きく消費が減少するというリスクは小さいと見られます。そういう意味では経済にとって良い状況だと言えるでしょう。

新規失業保険申請件数は減少

昨日発表された先週一週間での新規失業保険申請件数は減少傾向を示し、引き続き労働市場は堅調であることが確認されました。

米国では失業保険の新規申請件数が先週減少し、2カ月ぶりの低水準となった。雇用の伸びが減速する中でも労働力需要が堅調を維持していることが示唆された。

  失業保険の継続受給者数は7月8日終了週に175万人と、前週から3万3000人増加。約3カ月ぶりの大幅増となった。

  統計は労働市場が力強さを維持していることを示唆。企業はここ数カ月で雇用ペースを落としているものの、労働者を維持している。雇用市場の強さは個人消費を支える不可欠の要素であり、今年はリセッション(景気後退)を免れそうだとの期待につながっている。

  より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は23万7500件に減少。6週間ぶりの低水準となった。

  季節調整前ベースでの新規失業保険申請件数は、前週とほぼ変わらず。州別ではカリフォルニアとジョージア、サウスカロライナで増加し、ミシガン、ケンタッキーなどで減少した。

  今回の統計は、労働省が毎月実施する雇用統計の調査期間と一致する。7月の雇用統計は8月4日に発表される。

引用:bloombergより

このように米国の労働市場は安定を保っています。インフレの落ち着きを確認し、経済にとってもある意味の良い落ち着きを確認するような指標の発表が相次ぐ中、雇用環境だけは堅調というある意味理想的な形と言っていいような気がします。インフレが落ち着くということは非常に良いことですが、その反動で景気の減速や雇用の悪化が懸念されていましたが、今のところその可能性は非常に低いと言っていいでしょう。景気も若干悪い数値も出てきていますが、急減速を思わせるほどのものは出てきていません。そういう意味では適度な冷却ができていると言っていいのかなという感じがします。しかし、その影響で雇用が悪化してしまえば景気は悪循環に陥るところですが、その雇用は比較的落ち着いているということで経済の急減速の心配も少ないでしょう。そういう意味では非常に望ましい状況なのかなという感じがします。

状況は想像以上に良いのかもしれない

米国経済は思ったほど悪くなく、むしろかなり良い結果になるのでは中という気さえするほどにうまく行っているような気がします。インフレ悪化当初はこれを本当にコントロールできるのか、スタグフレーションなどの景気減速になるのではないかという声も多く聞こえましたが、最近はほとんどそのような声を聞かなくなっています。不可能と思われたソフトランディングについてもかなり可能性が高くなってきたという声も聞こえてくるほどです。そういう意味ではインフレの対処がかなりうまく行っていると言っていいのだろうと思います。もちろんまだ完全に収束したわけではなく、まだいくつもの困難が待ち受けているとは思いますが、当初考えられていた程の悪い状況になるという可能性はかなり低くなったと思います。

まとめ

今日は先週一週間の新規失業保険申請件数について見てきました。労働市場は相変わらずの堅調さを保っています。そういう意味では米国経済は安定していると言っていいのかなという感じです。もし本当にこのまま大きな景気後退もせずにインフレを抑制できたのであれば歴史に残るような大仕事をパウエル議長はやってのけたということになるのかなと思います。今後はどうなるかわかりませんが、ぜひそのような結末になることを望みたいところです。