6月の小売売上高は無難にすぎる

米国経済は弱さを見せながらも力強さは維持しているように見えます。昨日発表された6月の小売売上高は市場予想を下回る結果となりましたが、消費は一定程度の強さを残していることがわかりました。インフレが落ち着きを見せ始め、先行きに明るさも見え始めた中においてはそこまで悲観するようなものではないのかなという感じがします。

6月の小売売上高は予想を下回るも無難な結果

昨日発表された5月の小売売上高は市場予想を下回る結果となりました。しかし、家計の消費に対する意欲というのはそこまで悲観するほどではないようです。

6月の米小売売上高は伸びが市場予想を下回った。一方で、家計支出の基調的な指標は消費が堅調さを増したことを示唆している。

  国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高は前月比0.6%増。前月の伸び率(0.3%増)の2倍に加速した。市場予想は0.3%増だった。

  6月は13カテゴリーのうち7つで増加。無店舗小売りや家電販売店、家具店などで伸びが目立った。一方、建材店やガソリンスタンド、食品・飲料店などでは減少した。

  力強い労働市場とインフレ圧力の緩和が、引き続き消費を支えている。だが、高水準の借り入れコストと物価が家計を圧迫している面も一方にはある。

  ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「需要に対する逆風は強まりつつあるとみている。金融面の厳しい状況が比較的所得の低い層に偏った形で影響を及ぼす。それが向こう数カ月、小売売上高への重しとなるだろう」と指摘した。

  米小売売上高で唯一のサービス分野である飲食店は前月比0.1%増。5月は1.2%増と急増していた。

  ゴードン・ハスケット・リサーチ・アドバイザーズのマネジングディレクター、チャック・グロム氏は「現在のインフレが本当に落ち着き始めれば、所得層にかかわらず消費者の懐は全般的にもっと温かくなる」と、ブルームバーグテレビジョンで述べた。

引用:bloombergより

このように6月の小売売上高はやや期待はずれに終わりましたが、それでも消費者の消費に対する意欲というのはまだまだ健在と言っていいのかなという感じがします。今後、インフレが落ち着いてくれば経済環境もより好転してくる可能性もあります。また、落ち込みが懸念されるような自体になればFRBは素早く対策を打ちやすい状態になっていると言えるでしょう。そういう意味ではそこまで悲観する内容ではないのかなという感じがします。むしろ、あまりに強すぎるのも問題でしょうし、無難にこなした感があります。

大きな影響はないだろう

今回の結果については色々と見方はあるでしょうけれど、個人的には無難にこなしたと感じています。おそらくはなかったとは思いますが、あまりに強い消費をみせるようであればまたインフレ懸念が再来した可能性もあったでしょう。そういう意味では可もなく不可もなくというような結果というのは好都合だったようにも思います。なので今回の結果によって今後の金融政策に大きな影響を与えるということはないでしょう。そういう意味でも無事にイベントをこなしたという感じがします。

まとめ

今日は6月の小売売上高について見てきました。市場予想は下回りましたが、そこまで悲観すべき内容ではなく、インフレ下という観点で見ればむしろ安心感もある内容と言えるような気がします。流石にもう強すぎる指標というのはないような気がしますが、そのようなものがあればまたインフレ懸念が再来する可能性もあるので、今回のような内容というのはむしろ安心できるような気もするのかなという感じです。