マイク・ウィルソン氏はいつもの悲観論を展開中

インフレの想定外の底堅さにより金融政策もまだまだ引き締めが継続されそうな感じです。その中にあっても株式市場に対しては強気な見方をしている人が多いように思います。結局のところは株式市場は強く推移すると多くの関係者は予想しています。しかし、そんな中でも悲観的な予想をする人も当然ながら存在し、ある意味注目されていると言っていいのだろうと思います。

いつもの悲観論

先日、非常に悲観的な論調で有名なモルガンスタンレーのマイク・ウィルソン氏はマーケットに対する楽観論に対して否定的な見解を示しています。

ウォール街で米国株への楽観的な見方が強まる中、米モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は広範にわたる利益の伸びが見られないと指摘、見通しを引き上げる正当な理由は見当たらないとして自らの見方を維持している。

  ウィルソン氏は12日、ブルームバーグのラジオ番組のインタビューで、年末のS&P500種株価指数の予想を4500で据え置いた。バンク・オブ・アメリカ(BofA)やゴールドマン・サックス・グループ、UBSグループなどは同株価指数の予想を上方修正している。

  同氏の見通しは、S&P500種の前日終値である約5118を12%程度下回る水準だ。ブルームバーグが追跡したウォール街のストラテジスト予想平均値(4915)と比べると8%低い。

  同氏は「バリュエーションが上昇するにつれ、多くの企業が目標株価を引き上げている」と指摘、「われわれはそれに対して前向きではない」と述べた。

  ウォール街で最も著名な弱気論者の1人であるウィルソン氏の見方によれば、市場全体で投機的な動きが加速している。同氏は「レバレッジが悪いとは限らない」と述べた上で、「FOMO(乗り遅れ恐怖症)のために人々はリスクに手を伸ばしている状況だ」と語った。

引用:bloombergより

このようにウィルソン氏は今後の株式市場に対して悲観的です。最近はゴールドマン・サックスをはじめ多くの専門家が今後の株式市場に対して強気な見方に転換していますし、バンク・オブ・アメリカでもそのような見方に修正していたようです。そんな中にあってもウィルソン氏は相変わらずの悲観論であり、その姿勢は全くぶれていないなという感じがします。実際、それがどれだけ正しいかはわかりませんが、これだけ強気な見方が広がる中にあってある意味貴重な意見であると言っていいのかもしれません。

強気な見方が広がる中にあっては非常に貴重

ウィルソン氏は相変わらずの悲観論を展開しており、ある意味安心できるような気がします。むしろ、ウィルソン氏が悲観論を述べなくなったらそれはそれで怖いなと感じるところです。ただ、今後の展開についてはこれだけ強気な見方が多くなると、このような悲観論というのも貴重なものとなるでしょう。実際、今後の株式市場がどうなるかはわかりません。去年は総じて悲観的になっている中で非常に素晴らしいパフォーマンスを残したことは記憶に新しいところです。そういう意味では今年は逆に予想外に弱い結果となる可能性も否定できないでしょう。そういう意味ではいつもの悲観論とはいえあまり無視できるものではないのかなという感じがします。

まとめ

今日はモルガンスタンレーのウィルソン氏の悲観論について見てきました。いつもの悲観論であり、もう見慣れた光景であるなという感じではありますが、これだけ強気な論調が多くなってきている中では非常に貴重なものではあるのかなと思います。特にこれだけ強気な意見が多くなっているときというのは予想外の下落局面になる可能性もあるのは事実ですし、心に留めておくのはいいのかなと思います。