ニューヨーク連銀製造業景況指数もインフレ鈍化を示す結果となる

米国のインフレは確実に抑制されてきています。昨日発表された経済指標は一段とインフレが抑制されてきていることを示しており、米国が厳しいインフレから開放される日がより近づいてきていることを確認できるものでした。もちろんまだまだ油断はできませんが、異常なまでのインフレというのは落ち着いてきており、非常に良い兆候と言っていいでしょう。

インフレはより落ち着きを見せる

昨日発表されたニューヨーク連銀製造業景況指数は僅かな上昇にとどまり、インフレが確実に落ち着いてきていることを確認するものとなりました。

7月のニューヨーク連銀製造業景況指数は前月から低下し、辛うじて拡大圏にとどまった。受注の指数がわずかに上昇し、インフレ圧力は後退した。

  今回の統計では、インフレ圧力の一段の沈静化が示された。仕入れ価格と販売価格の指数は共に2020年半ば以来の低水準に下げた。販売価格の見通しを示す指数は上昇した。  

事業環境については、製造業者の間で見方が分かれた。およそ29%が改善を報告した一方、悪化したとの回答も約27%あった。

  新規受注の指数は3.3と、前月(3.1)からわずかに上昇。出荷指数は前月から低下した。雇用については6カ月ぶりに拡大圏となった。

引用:bloombergより

このようにインフレは確実に抑制されています。最近は消費者物価の数値などインフレが鈍化してきていることを示す経済指標が相次いで発表されていますが、今回もその流れを引き継ぐような形となり、よりその可能性を示すものとなっています。ここまでインフレ鈍化を示す経済指標の発表が続くということで、厳しかったインフレもようやく落ち着きを見せてきたと言っていいような気がします。それでもまだインフレ率が高いということには変わりなく、粘着性も高いと見られているため、正常な状態に戻るには時間がかかるとは思いますが、少しは明るい見通しが立ってきたと言っていいのかなと感じます。今後の利上げについては7月はおそらく25bpでの利上げで決定だとは思いますが、その後はもしかしたら利上げは行われない可能性も十分高くなったと言えるでしょう。当初はあと2回程度は利上げが行われると予想されていましたが、その可能性というのはかなり低くなったのかなと感じています。

株式市場も期待がもてる?

米国のインフレは想像以上に落ち着いてきているように感じます。当初はもっとインフレはしつこく居座るのではないかという声も多く存在し、厳しい金融政策も長く続くと見る人も多かったと思います。しかし、7月の時点でかなりのインフレ鈍化を確認できたということは経済にとっても大きなプラスとなることでしょう。そういう意味では米国経済は思っていたほどの景気後退というのは起こらない可能性が高くなったように思います。事実、ゴールドマン・サックスなど多くの金融機関等のリセッション予想というのは確率を下方に修正する動きが出てきています。そういう意味でも米国経済は我々が思うほど悪くならない可能性が十分に出てきたと思います。そういう意味でも株式市場はやや活気が戻ってくると思いますし、最近はそれを先取りするような動きも出てきています。そういう意味ではいい方に予想が外れてくれたのかなという感じがします。

まとめ

今日はインフレ鈍化を示す経済指標から今後の米国経済について考えてきました。正直、予想以上に米国経済は堅調なような気がします。インフレは意外にも抑制されており、そのことは今後の経済見通しを考える上で非常にプラスとなるのは間違いないでしょう。もちろんこの予想が外れる可能性も十分考えられますし、油断はしてはいけませんが、一時期よりも随分前向きな気持ちで投資ができるのではないかという感じがしています。