新規失業保険申請件数は引き続き底堅い推移を見せている

労働市場は引き続き底堅さを維持しています。先週一週間での新規失業保険申請件数は歴史手に見ても低水準を維持しており、労働市場が今なお強さを維持していることを確認することとなりました。インフレ抑制を目指すFRBにとっては歯がゆい思いをしているかもしれませんが、雇用が安定しているということは労働者にとってはいいことなのかもしれません。いずれにせよ、これだけ強い労働市場は金融政策の軟化の要因にはなりえないでしょう。そういう意味では利下げの時期というのはまだまだ先になりそうです。

労働市場引き続き底堅い

昨日発表された先週一週間での新規失業保険申請件数は依然として低水準であることが確認されました。

先週の米新規失業保険申請件数は歴史的低水準付近にとどまり、労働市場の底堅さを浮き彫りにした。

  新規失業保険申請件数は過去1年間、金利上昇や労働市場冷え込みの兆しがある中でも低水準で推移してきた。失業保険の継続受給者数は今年に入ってから180万人前後で推移している。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は20日、労働市場は依然として力強く、新規失業保険申請件数は「極めて低水準だ」と発言。雇用の伸びが減速しつつある中、仮にレイオフが増えれば失業率もかなり急速に上昇するとの見方も一部にはある。「それはわれわれが注視していることだが、まだ目にはしていない」と、パウエル氏は連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の会見で語った。

  変動のより少ない失業保険申請の4週移動平均は21万1250件と、1カ月ぶりの高水準となった。

  季節調整前のデータでは、申請件数は1万2730件減少の約19万件。カリフォルニア州とオレゴン州の減少が目立った。

引用:bloombergより

このように米国の労働市場は引き続き底堅さを維持しています。これだけインフレが強く、金融政策が引き締められたとしても労働市場が強いということは米国経済の底力を見せているような気がします。経済にとっては良いことのように思いますが、インフレ抑制という観点で守ればなかなか素直に喜べないというのもあるように思います。少なくともFRBはこのような状況では利下げには踏み切ることはないでしょう。利下げの時期は今の所6月を見込んでいる人が多いような気はしますが、さらなる後退の可能性もあるのだろうと思います。

インフレとの戦いはまだまだ続く

相変わらずの労働市場の強さというのは今もなお変わらずという感じです。本当に米国の労働市場の強さというのは目を見張るものがあります。本来であればすでに労働市場も悪化しており、インフレが急速に落ち込んでいるということを想定している人が多かったと思いますが、その想定というのは完全に崩れたと言っていいのだろうと思います。今回のインフレは相当に粘着性が高いです。なかなか落ち着きを見せませんし、この傾向はこれまでも続いてきましたし、これからも続いていくことでしょう。そういう意味ではまだまだインフレとの戦いは続くと覚悟しておいたほうがいいでしょう。そういう意味では今後も予想外の展開というのはあり得ると思いますし、特に市場が期待するような理想的な展開というのは今後も裏切られ続けるのでしょう。

まとめ

今日は新規失業保険申請件数について見てきました。相変わらずの底堅さを労働市場は見せており、インフレ抑制の難しさを改めて見せつけられている気がします。インフレ抑制だけを考えればさらなる引き締めという選択肢もあるでしょうけれど、これ以上の引き締めは流石に経済にとっての悪影響を無視できアンクなる可能性もあり、なかなか踏み切れないと思われます。そういう意味では今後もこのままを維持し、根比べを続けることになるのでしょう。そういう意味ではまだまだインフレとの戦いは続くと思われます。