連日、パウエル議長の緩和期待を打ち消すような発言が発信される

FOMCの結果を受けて、市場では来年早期の緩和期待というのが日に日に高まっています。パウエル議長が予想外にハト派寄りの発言をし、大きなサプライズとなりました。市場では以前よりその期待は高まってはいましたが、相次ぐ強めな経済指標の発表によりややそのトーンは低調になっていました。しかし、パウエル議長の発言によりその勢いを取り戻し、というよりも更にましたと言ったほうが正しいような気がしますが、期待が異常に高まったと言えるでしょう。そのことを警戒してか、最近では早期の緩和kン速を打ち消すような発言がFRBからは相次いでいます。

緩和期待を打ち消す発言が相次ぐ

最近は来年の金融政策について慎重な発言がFRBから相次いで発せられていますが、昨日も同じような発言が飛び出しました。

米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、政策金利の引き下げに着手することが重要だが、今すぐではないと述べた。

  「金利を下げ始めることが重要だ」とハーカー総裁は20日、ラジオとのインタビューで発言。「あまり急ぐ必要はないし、今すぐにやるつもりもない」と述べ、「金利を現行水準で維持し、引き下げに着手するべきだ」と続けた。

米フィラデルフィア連銀総裁、金利据え置きを続けるべきだ

  この日のインタビューでは、企業にとって現在最大の課題は資本コストであり、借り入れコストの低下がそれを支えることになると総裁は指摘。また景気減速の度合いは政府発表のデータが示すよりも深いようだとも述べた。

  ハーカー総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で議決権を持つが、2024年にはこれを失う。

引用:bloombergより

このようにハーカー総裁は政策金利の引き下げについては可能性を認めながらもその着手には慎重な姿勢を示しました。FOMC後のパウエル議長の発言によって市場では緩和期待が非常に高まっていますが、それを打ち消すような発言となっています。最近は多くのFRB関係者がパウエル議長の緩和発言を打ち消すような発言を繰り返しています。パウエル議長の発言を否定するという意味ではないでしょうが、明らかに行き過ぎた紙上の期待を抑える意図があるように思います。しかし、いくら緩和を牽制する発言をしようとも、市場はあまり反応をしているようには思えません。やはりパウエル議長の発言の力が大きいということでしょう。そして市場は非常に都合よく物事を解釈をするということです。そういう意味ではしばらくはこの緩和期待が続いていくものと思われます。

なぜパウエル議長はあのような発言をしたのか

最近は市場では緩和期待が非常に高まっています。そしてそれを抑えるような発言が相次いでいますが、そうであれば最初からあんな事言わなければいいのにと思うのは私だけではないでしょう。正直、なぜあそこまで緩和期待を煽るような発言をパウエル議長がしたのかという疑問は未だ解消されないというところです。パウエル議長の発言により、市場はただでさえ緩和期待が高くなっていたところに油を注ぐ結果となってしまいました。そのため市場が異常に緩和期待が高まって、金融当局が警戒感を露わにしたという感じです。そういう意味では最初からあんな発言をしなければこんなことにはならなかったのにと思うところです。であれば今も緩和期待はそれほど高まらず、強さをやや残したインフレ指標によってその緩和期待も交代した可能性も十分にあるでしょう。そういう意味では余計な緩和期待によって株価がやや引き上げられている可能性が高いと思っておいたほうがいいような気がします。今後についてはどうなるかわかりません。市場が期待するように早期に緩和できるかもしれませんが、そうでないかもしれません。一部には予想外に経済市場が落ち着いてきているという声もありますし、そうであればパウエル議長の発言の通り、早期に金融緩和へと移行するかもしれません。しかし、実際にどうなるかはわからないということは頭に入れておいたほうがいいでしょう。

まとめ

今日は最近相次ぐ緩和期待への牽制について見てきました。正直、パウエル議長のあの発言の意図は本当にわからないというところです。何もあそこまで期待を煽る必要はなかったのかなという感じがします。もしかしたら、我々が知らないような事実があり、その為確実に早期に緩和並行するだろうと考えているのかもしれませんが、もしこの期待が裏切られたときのことを考えるとやや怖いかなという感じがします。いずれにせよこの答えはいずれ未来でわかることでしょう。なんとか悲劇的な結果にならないことを期待するばかりです。