FOMCにて政策金利の据え置きを決定。将来見通しもややタカ派的。

3月の19日と20日には市場が注目するFOMCが開催され、政策金利の据え置きが全会一致で決定されました。これは5会合連続での据え置きということで金利は高く維持され続けることになります。今後の先行きに対してもやや厳し目な見方となったようにも思いますが、大筋ではそこまで予想とは変わるものではなかったというところで、大きなサプライズはなかったと行っていいのかなという感じです。

政策金利の据え置きを決定

昨日まで行われていたFOMCでは5会合連続での金利の据え置きが決定され、引き続きインフレ抑制に対して厳しい姿勢で望むことが確認されました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は、2024年の利下げについて0.25ポイントを3回という従来予想を据え置いた。一方で25年については、最近見られるインフレの上振れを踏まえて予想する利下げの回数を減らした。

  FOMCは3月19-20日に開催した定例会合で、主要政策金利を据え置くことを決定した。決定は全会一致。金利据え置きは5会合連続となる。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%。2020年3月以来となる利下げに今年踏み切る方針に変わりがないことを示唆したが、FOMC参加者の予測中央値によれば、25年の利下げ回数については3回と、昨年12月時点での4回から減少した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会合後の記者会見で、5月ないし6月のFOMC会合で政策金利を引き下げるのかとの質問に対し、直接的な回答は避け、初回利下げは「年内のある時点」になる可能性が高いという従来の発言を繰り返した。

  インフレの上振れを示す最近のデータについては特に重大視しない姿勢を示し、「われわれがその確信に達し利下げが実施されるという認識を、大半の人が抱いている可能性はなお高い」と述べた。

  パウエル氏はまた、データは利下げ開始に対するFOMCの慎重なアプローチを裏付けているとし、インフレが目標の2%に向かっていることを示すより多くの証拠を当局者らは目にしたいと考えていると加えた。

  今回の声明は1月とほぼ同内容で、「委員会はインフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信を強めるまで、誘導目標レンジの引き下げが適切になるとはみていない」とのガイダンスを維持した。

  声明はバランスシートに関して、毎月最大950億ドル(約14兆4000億円)の縮小を継続する方針を改めて示した。FOMCは今回の会合でのバランスシートに関する議論を予定していた。ダラス連銀のローガン総裁など一部当局者は、圧縮のペース減速がいずれ必要になるとの見解を示している。

  パウエル議長は記者会見で、バランスシートについては縮小ペースを「かなり早期」に減速させるのが適切だろうと述べた。

  議長は「ランオフ(償還に伴う保有証券減少)のペースを減速させるという判断はバランスシートの縮小を意味しないが、より漸進的に最終的な水準へ近づくことが可能になる」と指摘。「特にランオフのペース減速で円滑な移行が確実になり、短期金融市場がストレスを抱える可能性が低下する」と述べた。

  FOMCは2022年3月からFF金利の誘導目標を5ポイント以上引き上げてきたが、当局者らはこれまで、インフレの抑制を確信するまで利下げを急がない考えを強調している。

  パウエル議長は今年早期のインフレ指標が予想を上回ったことについて、物価上昇ペースの鈍化は「時として起伏の多い道」を進むという認識を変えるものではないと指摘した。

  議長は「起伏の多い道のりになる」とし、「われわれは一貫してそう述べてきた。今はでこぼこ道を通過中だ」と説明。「この問題に慎重なアプローチで臨んでいるのはそのためだ」と付け加えた。

  FOMC参加者の予測中央値ではFF金利が24年末までに4.6%に達するとされているが、参加者の個々の予想は割れている。ドットプロット(金利予測分布図)では、年内に0.25ポイントの利下げが3回実施されると10人が予想した一方、2回以下と予想した当局者も9人いた。

  当局者らは予測があらかじめ決まった計画を示すものではないと強調しており、個々の予想は今後入手するインフレと労働市場のデータによって変化すると説明している。

  今回の予測ではまた、長期における金利水準の予想が若干上向きに修正され、中央値は2.6%と、従来の2.5%から引き上げられた。

  また24年のインフレと経済成長に関する予測にも変化が見られた。基調的インフレ率については2.6%と従来予想(2.4%)から引き上げ、成長率についても2.1%と従来予測(1.4%)から引き上げられた。24年の失業率については4%と、従来予測(4.1%)から若干引き下げられた。

引用:bloombergより

このようにFRBは政策金利の据え置きを決定し、今後の見通しについてもやや厳し目なものとなりました。2024年についてはこれまでどおりの見通しとなりましたが、来年度はやや厳し目な見通しとなり、インフレはやはりしつこく居座る可能性が示唆された形となります。大きな流れとしては予想の範囲内という感じはしますが、徐々にインフレ終息が後方にずれていく流れは変わらず、これまでの予想がさらに交代したような印象はあるのかなという感じです。

さらなる後退もあり得る

3月のFOMCで利下げを期待していた頃、このような結果と描いていた人はどれくらいいたのだろうかという感じはしますが、結局金利は据え置かれ、厳しい金融政策は維持されることとなりました。最近はインフレ抑制がなかなかうまく行かずに予想外に金融緩和政策への以降は後退するという流れが続いていましたが、その流れが今回も継続したという形です。パウエル議長の発言により、FRBもその流れに完全にコミットした形となり、やはりインフレ抑制を達成するのにはかなりの時間がかかるのだろう当印象はより確実になったような気がします。今後、利下げ予想も2024年中に0.75となっていますが、それがさらに後退する可能性もそれなりにあるのだろうという感じがします。

まとめ

今日は3月のFOMCについて見てきました。予想通りの金利据え置きと厳しい将来予想という結果となり、改めてインフレ抑制の厳しさを改めて示したものという感じがします。おそらくは今後も厳しい流れは継続するでしょうし、さらなる後退の可能性も覚悟しておいたほうがいいのでしょう。