昨年第4四半期GDPは下方修正。経済悪化は深刻。

インフレが依然として深刻な状態が続いている中、米国経済もやはり深刻な状態になりつつあるような気がします。昨日発表された2022年10-12月期のGDPは速報値よりも下方修正され、米国経済の減速が明らかとなってきました。反面、インフレはますます強固になってきており、今後に不安の残る形となっています。

GDP改定値は下方修正

昨日発表された昨年、2022年10-12月期のGDP改定値はやや可報酬視されることになりました。

2022年10-12月(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP)改定値は、速報値から下方修正された。個人消費の下向き改定が響いた。米金融当局が重視するインフレ指標は速報値から上向きに修正された。

  改定値の詳細を見ると、米経済が昨年末に勢いを失いつつあったことが分かる。貿易と政府支出、在庫を除く実質民間国内最終需要はわずか0.1%増と、新型コロナ禍が始まって以降で最も低い伸びにとどまった。

  個人消費は前期比年率1.4%増。速報値は2.1%増だった。自動車など耐久財の消費が3四半期連続で減少した。7-9月は2.3%増。

  インフレ指標の個人消費支出(PCE)価格指数は、10-12月に年率3.7%上昇。速報段階では3.2%上昇だった。食品とエネルギーを除いたコアは4.3%上昇。速報値は3.9%上昇だった。

  個人消費が下方修正された一方、設備投資は3.3%増と、速報値(0.7%増)から上方修正された。主として構築物と知的財産の上向き改定を反映している。

引用:bloombergより

このように米国経済は徐々に減速してきていることがわかります。インフレがこれだけ長期間高止まりし、金融政策も引き締めが継続するというわけですから当然といえば当然ですが、管理厳しいといわざるを得ないでしょう。その中でPCEは上昇するというある意味最悪な結果となっています。経済の減速をうかがわせる結果ということで金融政策での支援というものも期待したいところですが、今のところFRBにその気配は全くないといっていいでしょう。少々の経済減速では今の金融政策の変更はまずないと思っていいと思います。しかもPCEが上昇しているということはさらなる引き締めの可能性すら出てきたということです。最近はインフレが依然として高止まりしているとうかがわせるような経済指標が相次いでおり、そういう意味でも金融政策の変更というのはまず考えづらいところです。

日に日に悪化する米国経済

一時期楽観的な空気も出てきた米国経済ですが、インフレが依然として健在と判明して以来、ますます悪化が続いているような感じです。インフレは依然として落ち着く様子はなく、経済は失速がより鮮明になってきています。そういう意味ではかなり厳しいといわざるを得ません。家計も貯蓄がかなり減ってきており、堅調な消費を支えるのはそろそろ厳しくなるような気がします。企業業績も悪化の一途であり、人員整理もいまだ続いています。そんな状態で今で金融政策の変更もできないほどインフレが強いという状態は、悪夢といってもいいような気がします。今はまだ雇用が堅調なこともあり、大きなショックはないとは思いますが、何かのきっかけで急激に失速するリスクもどんどん大きくなっているように思います。

まとめ

今日は2022年10-12月期のGDP改定値を見てきました。米国経済は予想よりも深刻な状態のような気がします。そして今後もそれはどんどん悪化していくことでしょう。とても状況が改善するとは思えません。そんな中、インフレは依然として高止まりしており、FRBも景気対策にはまず動かないでしょう。そういう意味では本当に厳しくなってきたなという印象です。