最近はマーケットの熱狂に対する警告が多くなってきたように感じる

最近はマーケットの調子が非常に良いと言っていいでしょう。日本も株価が4万円を超え、ようやくデフレからの脱却が見えてきた形です。米国でも厳しいインフレと金融引き締めの中にあっても好調な労働市場やAIなど成長産業の影響もあり株価は思っていたよりも悪くはないというのが正直なところです。そういう意味で非常に明るいマーケットですが、その状況について警告する声も日々多くなっているような気はします。株価の暴落が起きる前というのはいつもこのような熱狂があることも事実です。そういう意味ではそろそろ危ないことが起きるのかなと感じないでもないです。

債権王の警告

かつて債権王を呼ばれたPIMCOのビルーグロース氏は最近のマーケットの上昇基調に対して警告を発しています。

債券大手パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の共同創業者、ビル・グロース氏は金融市場に「行き過ぎた熱狂」が渦巻いていると述べ、この先は荒れ模様になり得ると投資家に警告した。

  S&P500種株価指数は今週、初の5200台に乗せ、過去12カ月間の上昇率は33%に達した。これまでの2年間、米政策金利は約20年ぶりの高水準に押し上げられ、インフレ調整後の10年債利回りはおよそ300ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。

  「財政赤字を伴う支出と人工知能(AI)ブームという圧倒的な要因に加え、モメンタムと『根拠なき』熱狂が2022年から市場を支配してきた」とグロース氏。「行き過ぎた熱狂に備えてシートベルトを締めよう」と最新の投資見通しで述べた。

  グロース氏のコメントは、1996年に当時のグリーンスパン連邦準備制度理事会(FRB)議長が用いた「根拠なき熱狂」という言葉を想起させる。グリーンスパン氏は株式市場に広がる投資家の高揚感をこの言葉で表した。

  そういうグロース氏も、AI関連株を巡る現在の熱気には抵抗しがたいという。この1週間はAI関連株として人気の高いブロードコムの取引で「行ったり来たり」したと述べた。

引用:bloombergより

このようにグロース氏は述べ、最近の株価上昇について行き過ぎた動きであると警告をしています。確かに経済を見てみると、AIなど一部非常に注目を浴びている業界もありますが、全体で見ればそこまで好調ということもないような気がします。めちゃくちゃ悪いということもないでしょうけれど、ここまでの強さを説明できるようなものでもないでしょう。そういう意味では今の株価というのはやや期待が先行しすぎていると言ってもいいのかもしれません。特にこれまでのバブル経済など株価が非常に強かったときのことを振り返ってみると、このようなやや根拠が軽薄な株価上昇というのが起きると、その後非常に危険な状況に陥ることが多いことは周知の事実です。そういう意味では現在の状況というのはやや慎重に見て置かなければならないでしょう。

熱狂のあとには崩壊が来る

現在の状況がバブルかどうかはわかりませんが、非常に熱狂に溢れていることは事実でしょう。特に日本では株価が最高根を更新し、新NISAにともない多くの初心者が株式市場に参加をしてきています。そういう常用を見てみればかつてのバブル相場とかなり似ているような気がします。そういう意味ではかなり危うい状態なのかなと思います。実際にはまだそこまで株価が買われているということはありません。かつてのバブルのときと比べると実体経済と比べてあまりにも株価が買われているというほどにはなっていないのでまだ大丈夫な気はしますが、少し警戒はしておいたほうがいいでしょう。特に、日本は大丈夫だとしても米国を始め、世界がおかしくなればその影響というのは日本にも来るでしょう。そういう意味では米国の今後の先行きに対して注意が必要だということには変わりないのかなという感じです。

まとめ

今日は現在のマーケットに対する警告について見てきました。やや最近は熱狂が強くなってきた感はあります。ただ、かつてのバブル景気のときほどの極端なものではないのでまだ大丈夫なような気はしますが少し注意が必要な状況になってきていることは事実でしょう。そういう意味では今後も現在のような好調なマーケットが続くとは考えないほうがいいと思います。何が起きてもいいようにしっかりと準備をしておきましょう。