アトランタ連銀のボスティック総裁が利下げ時期や規模の予想を後退させる

強い経済指標の発表が相次ぎ、インフレ抑制の時期についても後方へとずれ込むことが予想され始めています。そしてFRB内部からも以前よりも利下げの時期や規模について遅れや縮小をする発言が出てきました。市場が予想するように、FRBも利下げ開始にはより時間がかかると見始めたことになります。

利下げ時期の予想が後退

先日、アトランタ連銀のボスティック総裁は記者の質問に対して以下のような回答をしています。

アトランタ連銀のボスティック総裁は22日、今年の利下げは1回にとどまると現時点で予想していると明らかにした。利下げ時期は従来の予想より後ずれする可能性が高いとも述べた。

  ボスティック総裁は先に、2024年に2回の利下げが適切で、初回は今夏になる可能性が高いと述べていた。

  同総裁はこの日、アトランタで記者団に対し、「ぎりぎりの」判断だったと発言。「向こう数週間、どのようなデータが出てくるかを見守る必要がある」とした。

  インフレの軌道については昨年12月時点よりも確信がないと述べ、主要な数字の陰には「厄介なことがいくつかある」と指摘。特に消費者物価の指数の中で上昇率が高い品目の幅広さに言及した。

引用:bloombergより

このようにボスティック総裁は述べ、利下げの開始時期について従来よりも遅くなる可能性について示唆しました。これまでボスティック総裁は夏頃には利下げが行われるだろうという喧嘩を示していましたが、それをやや後方へと修正した形になります。最近はインフレがなかなか落ち着いていないという証拠を示す経済指標の発表が相次いでおり、市場でも金融緩和政策の実施は従来予想よりも遅くなるだろうという予測へと変更され始めていました。そこへ来てFRB内部からもこのような発言が出てくるということで、その可能性はより高まったのだろうというところです。

しばらく現状維持

利下げの開始が遅れることは最近は多く予測されていましたが、ようやくFRBからもそのような発言が出てきたということで、よりその確率が高くなったと言っていいでしょう。特に今回のインフレに対するFRBの姿勢というのは特に慎重姿勢であり、それを全く崩す感じはありません。そういう意味ではより確かな証拠が集まらない限り、利下げを実施するということはないのかなという感じです。今回の発言はそれらのことをより確実なものとし、利下げの開始は相当程度遅れるということを市場へとアナウンスするものであると言っていいでしょう。そういう意味ではしばらく現在の金融政策は維持され続けるのだろうということは覚悟しておいたほうがいいと思います。

まとめ

今日はアトランタ連銀のボスティック総裁の発言について見てきました。とうとうFRBからも利下げ後退の発言が出てきたということで、その確率はより高まったと言っていいでしょう。今年は春に盛り下げが開始され、数回に渡ってそれが行われるという予測が出ていましたがそれは大きく後退することになりました。今後も個人的にはさらなる変更もあり得ると思っていますし、状況の変化には十分注意したほうがいいでしょう。v