7月の消費者感指数は大幅に改善。消費者の期待は一段と高まる。

米国の消費者の期待というのは非常に高まっているようです。昨日発表された消費者信頼感指数は非常に高いものとなり、消費者の今後の景気に対する期待感がよく反映されたものとなりました。インフレも落ち着きを見せ始め、雇用も安定しているということで、消費者は将来に対する希望を見出しているのでしょう。

消費者心理は大幅に改善

昨日発表された7月の消費者信頼感指数は非常に強い内容となり、消費者の期待の高さを表したものとなりました。

米民間調査機関のコンファレンスボードが発表した7月の米消費者信頼感指数は2年ぶり高水準となった。力強い労働市場とインフレ緩和に支えられた。

  現況指数は2020年3月以来の高水準。今後6カ月の見通しを反映する期待指数は昨年初め以来の水準に上昇した。インフレ期待の指数は小幅低下。

  コンファレンス・ボードのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は「信頼感の改善は全ての年齢層で顕著で、年収5万ドル未満と10万ドルを超える所得層でも同様だ」と発表文で指摘した。

  最近の経済統計は米国がリセッション(景気後退)を回避できるとの期待を強めている。主要インフレ指標は緩和の兆候を示しているが、雇用市場は堅調さを維持している。賃金もようやくインフレ率に追いつきつつあり、多くの家計に支出を維持できる余力を与えている。

  リセッションに陥る可能性が「いくらか」ある、もしくは「非常に高い」との回答はわずかに上昇した。それでも、リセッション予想は最近のピークを下回っており、景気後退への懸念が今年前半に比べて和らいでいることを示唆しているという。

  7月は「雇用が十分にある」との回答比率が上昇。「職を得るのは困難」との回答比率はこれまでの最低水準近くに低下した。6カ月後の労働市場への期待も改善した。

  現況について「雇用が十分」との回答と「職を得るのは困難」との回答の差は2月以来で最大に広がった。エコノミストは労働市場の逼迫(ひっぱく)状況を判断する指標として、この差に注目している。

  購入計画はまちまち。自動車や住宅の購入計画が増えた一方、冷蔵庫や洗濯機のような主要家電製品の購入計画は減少した。

引用:bloombergより

このように米国の消費者のマインドは非常に明るいようです。インフレは未だ高いとはいえ一時期のような強さはもう見られません。そのためこれまで苦しんできたインフレとの戦いがようやく終わるとの期待感も大きいのでしょう。そのうえで雇用については未だに強さを失っていません。いくらインフレが落ち着いたとしても職を失ってしまえばそこまで楽観的ではいられないでしょう。しかし、米国の消費者は今の所、職を失い、路頭に迷う心配はありません。それくらい雇用も強く、安心感は失われていないというところだと思われます。そのような心理を見事に反映した結果だったのかなという感じです。

予想外に良い方向へと進んでいる

米国経済は一時期の暗黒期から徐々に抜け出してきた感があります。インフレも落ち着き、雇用も安定しているということで、まさに理想的な形となっているような気がします。インフレを抑制するにはある程度の雇用の悪化やリセッションは仕方ないというのが当初の大方の予想でした。しかし、今ではそのような予想をしているのはごく少数であり、多くの人は思っているよりも良い結末を迎えるだろうという予想に転換しています。そういう意味では今回の消費者信頼感指数もそれらをよく反映したものになったのではないかという気がします。

まとめ

今日は7月の消費者信頼感指数について見てきました。米国は徐々に良い方向へと向かい始めたような気がします。もちろんまだ楽観はできませんし、これからも紆余曲折あるとは思います。しかし、当初考えられていたほど米国経済は悪化しないだろうと思いますし、その可能性は確実に高まったと言っていいでしょう。そういう意味では今後の展開に非常に期待が持てるのかなと感じます。