利上げが決定も引き続きタカ派が維持されたFRB

25日と26日に、市場関係者が注目するFOMCが開催され、政策金利を0.25%引き上げることが決定されました。これについては大方の予想通りであり、なにも驚くようなことではないのですが、その後の声明ではややタカ派的なスタンスが見て取れたために、今後も引き締めが継続されるとの警戒感が市場には広がることとなりました。

25bpでの利上げが決定

昨日は2日間に渡って開催された7月のFOMCの結果が公表され、政策金利を0.25%引き上げることが決定されました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は25、26日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定。一段のインフレ沈静化に向けて政策を微調整する中、さらなる利上げに動く可能性も残した。

  フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジは5.25-5.5%で、22年ぶりの高水準となった。今回の政策決定は全会一致。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会合終了後の記者会見で、「この先、適切と考えられる追加政策引き締めの程度を決定する上では、引き続きデータ重視のアプローチで臨む」と述べた。

  この議長の発言内容は、会合後に発表された声明でも説明されている。

  声明では、「委員会は追加情報とその金融政策への含意を引き続き見極めていく」と記述。「インフレ率を時間とともに2%に戻すために適切となり得る追加的な政策引き締めの程度を決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅効性、経済や金融の情勢を考慮する」と記された。今回の声明は前回とほぼ同内容だった。

  次回9月の会合で政策金利を据え置くのか、それとも追加利上げに動くのかは、データが正当化し得るとパウエル議長は説明。FOMCは1会合置きの利上げに傾斜しているのかどうかも含め、将来の政策行動について何も決定していないと発言。「会合ごとに判断していく」と述べた。

  議長は「データが正当化すれば、9月会合で再び利上げする可能性は当然あると言えよう。そして、同会合で金利据え置きを選択する可能性もあると言っておく」と語った。

  インフレに関しては、FOMCによる沈静化の取り組み奏功という明るい兆候が見られるとしながらも、「政策は期待された効果を完全に得られるほど十分に抑制的でなく、期間も不十分だとわれわれは認識している」と指摘。

  「改めてわれわれは、インフレ率が2%目標へと持続的に低下していると確信するまで政策を抑制的なものに維持する意向であり、適切だと判断されれば追加引き締めに動く用意がある」と表明。「このプロセスには恐らくまだ長い道のりが残っていると思われる」と付け加えた。

  米経済についてパウエル氏は、FRBのスタッフエコノミストはもはやリセッション(景気後退)を予想していないと説明した。

  「スタッフは現在、成長の顕著な減速が年内に始まると予想しているが、最近の経済に見られる強靱(きょうじん)性から、もはやリセッションは見込んでいない」と語った。

引用:bloombergより

このようにFRBは市場の予想通り政策金利を引き上げる決定をしました。しかし、その後に行われた会見では今後も引き続き厳しい姿勢で中止していく旨の発言をし、ややタカ派よりであるという姿勢を見せた形となっています。この辺りはおそらく市場感会社の中にも驚きを持って捉えた人も多かったのではないかと思います。最近は厳しい金融政策の終了を意識した動きというのがマーケットでは大きくなっていました。それを打ち消すような動きであり、市場は大きく反応するのではないかと思われます。もちろん今後の動きについては引き続きデータ次第であるということは間違いなく、どうなるかはわかりません。しかし、いまだFRBはインフレに対しての警戒を緩めていることは書く、引き続き厳しい姿勢で除くということを明らかにしたものとなりました。

まだまだ油断はできない

今回の決定についてはまあそうだろうという感じですし、大方の予想通りだったのかなと思います。ただ、今後の方針についてはややタカ派よりな感じがするものでした。もちろんパウエル議長の発言にもある通り、今後についてはまだ何も決まったことはありません。全てはデータ次第ということになります。なので9月のFOMCにてどうなるかはまだ誰にもわからないというのが正しいところです。しかし、姿勢としてはまだ厳しい姿勢で望むという強いメッセージを発したことは大きかったのかなと思います。その理由というのはわかりませんが、インフレに対してやや楽観的だったマーケットを諌める意味もあったのだろうという感じがします。今回のインフレはそれだけ難しい問題であり、落ち着いてきたとはいえまだまだその戦いは終わったわけではありません。そういう意味では今回のFRBの対応というのは正しかったのかなという印象です。

まとめ

今日は7月のFOMCについて見てきました。結果としては予想通りであり、何も驚くべきことはありません。ただ、予想外にタカ派よりなFRBにはやや意外な印象を受けたという感じです。それだけ危機感を持って対応しているということであり、気を緩めるなよというメッセージだったのかなと個人的には感じているとことです。