米国の卸売物価指数は予想以上の上昇。まだまだインフレは落ち着かないのかもしれない

13日、米国の3月の卸売物価指数が発表されました。結果としては相変わらずの高い伸びで、今もなおインフレが進行していることが裏付けられるものとなっています。消費者物価についてはやや鈍化の傾向があるのではないかと見れられていますが、卸売物価についてはまだまだ上昇が続いており、しばらくはこの傾向は続いていくのであろうとみられます。そういう意味で今日は先日発表された卸売物価指数についてみていきたいと思います。

3月の卸売物価指数は予想以上の上昇

13日、米国労働省が発表した卸売物価指数は前月比で1.4%の上昇となりました。

[ワシントン 13日 ロイター] – 米労働省が13日発表した3月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比1.4%上昇した。2月の0.9%上昇から加速し、改訂があった2009年12月以来12年超ぶりの大幅な伸びとなった。モノやサービスへの旺盛な需要が要因で、持続的な高インフレを示唆。米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを余儀なくされる可能性がある。

引用:ロイターより

上記のように、前月2月の0.9%上昇からさらにインフレは加速しており、いまだその勢いは衰えていないことが明らかとなりました。前年同月比でも11.2%の上昇を示しており、2010年11月以降で最大の伸びとなっています。いずれも市場予想を上回っており、改めて現在のインフレが厄介なものであるという印象を与えるものとなったような気がします。

いまだインフレが衰えていないことを証明した

先日発表された消費者物価の結果と合わせて今回の卸売物価の結果は、インフレがいまだ衰えておらず、現在進行形であることが示されたのではないかと思います。消費者物価については若干伸びが落ち着いてきたようにも見えましたが、今回のことによってそれが幻想であった可能性も出てきたように思います。いずれにせよ、FRBは今後も厳しい対応をしていくこととなるでしょう。政策金利については次回はもう50bpでの利上げはほぼ確実であり、さすがにそれ以上はないような気がしますが、積極的な利上げに出てくることでしょう。そして資産圧縮についてもより積極的に出てくる可能性はさらに高まったと思います。これまでもその可能性については見てきましたし、多くのエコノミストなどがそのような発言をしてきましたが、その通りの結果になりそうです。そういう意味では今後はなかなか株価の上値は重い展開が続きそうです。

まとめ

今日は先日発表された卸売物価指数についてみてきました。消費者物価が発表されたときは若干勢いが落ち着いてきたこともあり、ピークが近いのかという期待もありましたが、まだまだ厳しいのかもしれません。仮にピークを迎えたのだとしても、しばらくは高い物価の伸びは続いていく可能性も十分に考えられるでしょう。企業業績は今のところ順調なので株価はしばらく大きな下落をしないとは思いますが、半年、一年後には景気後退局面に入っている可能性も十分にあるでしょう。そのような予想を述べている識者も多く、その未来に向けて着々と進んでいるようにも見えます。改めて米国のインフレの行方には注意が必要です。