FRBは今後も引き締めを継続する意思を示す。

FOMCにて政策金利の引き上げが見送られましたが、今後の金利の見通しについてはやや厳しい見通しをしている発言をしていました。そして今回もそれと同じような内容の文書が議会に提出され、依然としてインフレが厳しく、今後も引き締めを継続していく決意をFRBは示したようなものとなっていました。内部からも引き締め継続の声が相次いでおり、7月以降の利上げの可能性はますます高くなったと言っていいでしょう。

今後も引き締めを継続

先日、FRBが議会に提出した報告書によると、インフレの緩和の兆しは依然として見られず、引き続き引き締めを継続していく必要性を訴えていました。

米連邦準備理事会(FRB)は米議会に提出した最新の金融政策に関する報告書で、サービス分野の主要部門のインフレ率は「高止まりし、緩和の兆しを示していない」と問題視し、FRBに求められているインフレ抑制は「労働市場の逼迫した状況がさらに緩和されるかどうかが左右する一因となる」と指摘した。これは失業率が悪化する可能性が高いことを意味する。

報告書は、パウエルFRB議長の来週の議会証言を控えて策定された。

報告書は「労働需要は経済の多くの分野で緩和されたが、資質を備えた労働者の供給を上回る状態が続いており、空席のポストが高止まりしている」と紹介。賃金上昇は今年前半に鈍化したものの、「長期的にはインフレ率が2%に見合うペースを上回っている」と記した。

また、銀行による融資が過去1年間に「著しく引き締まった」とし、3月に複数の地方銀行が破綻したことを受けて一段と引き締まる可能性が高いとの見解を示した。一方で「一部の銀行は収益性に懸念があるものの、銀行システムは引き続き健全で耐久性がある」と訴えた。

引用:ロイターより

このようにFRBは現状、インフレが依然として強く居座っており、緩和政策へと移行できる段階ではないという認識のようです。6月は各種の経済指標がやや軟化してきたこともあり、一旦利上げは停止されましたが、その際発表された声明でも今後の金融政策については厳しくする必要があることを述べていました。今回の報告書もそれと同様の内容であり、FRBが今後も利上げを継続し、より高い水準まで政策金利を引き上げる可能性があることを示唆しています。そういう意味では6月の利上げ停止を持って金融政策が変更されたと見るのは楽観的だと言えるでしょう。

景気減速のリスクは健在

すでにFOMC後の声明でも明らかであったように、FRBは今後も厳しく金融政策を運営していく方針には何も変わりはないようです。それは今回の報告書やFOMC後の発表でも示されていますが、その後関係者からも相次いで同じような内容の発言が出てきています。そういう意味では今回の利上げ停止というのは何も状況の変化や改善を表したものではないということでしょう。インフレとの戦いはいまだ収束しておらず、今後も長い戦いが続くということです。そしておそらくは米国経済は急激に減速するリスクも小さくなく、予想外に景気悪化する可能性も十分にあるはずです。そのことは頭に入れておく必要があるでしょう。

まとめ

今日は議会に提出された報告書の件について見てきました。FRBはいまだインフレが就職へと向かっているとは考えていません。引き続き厳しい政策を実行していくことはほぼ間違いないと言っていいでしょう。そういう意味ではこれからも株式市場は不安定な動きを続けそうです。