2月のISM製造業総合景況指数は久しぶりの上昇

米国の経済はまだまだ深刻な状況です。昨日発表されたISM製造業総合景況指数は6か月ぶりの上昇となりましたが、依然として低水準であり、経済状況は依然として振るわない状況です。インフレが深刻な状況であるため今後も厳しい金融政策が続くとみられます。そんな中米国経済がいつまで持ちこたえられるのかということが懸念されるところです。

ISM製造業総合景況指数は久しぶりに上昇

2月のISM製造業総合景況指数は市場予想を上回る結果となり、久しぶりに上京することになりましたが、依然として基準となる50を割り込んでおり、まだまだ景気回復と呼べるような状況ではありません。

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業総合景況指数は6カ月ぶりに上昇した。ただ、不安定な需要と高まるインフレ圧力を背景に、製造業活動は依然として縮小圏にとどまった。

  2月は製造業の14分野で活動が縮小。印刷や紙製品、木材製品などで縮小が目立った。拡大は4分野だった。

  ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は「新規受注が依然、振るわなかった。価格水準や納入のリードタイムに関して、買い手と供給業者の間で話がまとまりにくいためだ。ただ2月は新規受注の指数が上昇しており、そうした状況に進展があったことを示唆している」と発表文で指摘。「回答企業は引き続き、企業活動の鈍さが予想される今年上期は現在の従業員数を維持し、下期の好転に備えようとしている」と分析した。

  新規受注の指数は2月に、前月比の伸びが2020年以来の大きさとなった。ただ、なお50を下回っており、受注縮小が続いたことが示唆された。生産の指数は47.3に低下。在庫の指数は前月とほぼ同水準だった。

  仕入れ価格の指数は51.3と、2カ月連続で上昇。昨年9月以降初めて50を上回り、コスト上昇を示した。雇用の指数は49.1に低下し、人員数の減少が示唆された。

引用:bloombergより

このように製造業の現場は依然として景気が良くありません。インフレが依然として高止まりし、経済にも悪影響を与え続けていることがよくわかります。ただ、ようやく上昇したということは喜ばしいことです。実際新規受注は増加しているようで、そういう企業については今後に期待を持てるかもしれません。そういう意味ではこれまでの流れとはやや違った形になってきている可能性もあり、注意が必要かもしれません。いずれにせよ景気回復にはまだまだという状況であることには変わりなく、今後の金融政策や経済全体を考えればとても安心できるような状況ではないでしょう。

まだまだ深刻な状況であることには変わりない

依然として経済状況は深刻であることが確認されたように思います。それでもやや明るい兆しが見えてきていることはいいニュースだといっていいでしょう。ただ、依然としてインフレが高止まりしており、それを抑制するための厳しい金融政策を望む声も多く聞こえてきています。そういう意味でもこの良い流れを後押しするという感じにはなっていません。おそらくは今後はまた悪化する可能性が高いといわざるを得ないのではないでしょうか。もちろん今後発表される雇用統計や消費者物価の数値などにもよりますが、まだまだ安心できるという状況ではないと思います。

まとめ

今日は2月のISM製造業総合景況指数についてみてきました。ようやく上昇したという感じですが、まだまだ力強さに欠けるものであり、楽観できません。今後の経済状況や金融政策を考えるととても安心できるとは言えないでしょう。まだまだ状況に変化はないということです。