米国株取引にかかる手数料を比較検討する

米国株にかかる手数料というのは年々低く抑えられるようになってきています。ネット証券各社が顧客獲得のために競うように手数料を下げるようになっています。投資家としてはとても喜ばしいことです。このような良好な環境が続く限り、個人投資家にとって素晴らしいサービスというのはますます増えていくことでしょう。そういうわけで今日は米国株取引にかかわる手数料について改めて確認していきたいと思います。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券を比較

今回はSBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社について比較していきたいと思います。多くの個人投資家が米国株取引で利用しているのは主にこの3社ではないかと思います。もちろん他にも取引ができるところはたくさんありますが、為替手数料や取り扱い銘柄などメリットデメリットを考えるとこの3社が優れているのではないかと思います。

口座維持手数料などは無料

今回比較する3社を問わず、ほとんどの証券会社で米国株を取り引きするための口座開設料などはかかることはありません。米国株取引をする際に考えるべき手数料は売買手数料と為替手数料、ETFの管理報酬です。それと税金についてはどこで取引しようが変わらないので今回は省略します。

売買手数料はほぼ同じ

各社1取引当たりのの売買手数料は以下のようになります。

SBI証券

  • 約定代金の0.45%(税込0.495%)
  • 最低手数料:0ドル
  • 上限手数料:20ドル(税込22ドル)

楽天証券

  • 約定代金が2.22米ドル以下 0円
  • 約定代金が2.22米ドル超 ~ 4,444.45米ドル未満 約定代金の0.495%(税込)
  • 約定代金が4,444.45米ドル以上 22米ドル(税込)

マネックス証券

  • 約定代金の0.45%(税込:0.495%)
  • 最低手数料0米ドル(無料)
  • 最大20米ドル(税込:22米ドル)

各社ともに売買手数料はほぼ同じです。2019年にマネックス証券が最低取引手数料を撤廃して以降、各社ともにその動きに追随し、手数料0ドルでも米国株を取引できるようになりました。今まではどんなに少ない約定金額でも5ドル程度とられていましたが、それが撤廃されたことにより、より少額での取引が可能となりました。米国株は1株単位で購入できるため、非常に少額での取引が可能でした。しかし、数ドル程度の取引にもかかわらず手数料に5ドルとられるという状況だったため、実際に少額取引をするにはややハードルが高かったのです。ですがその壁が取り除かれた今、米国株は非常に少額での取引でも安く行えるようになったため、個人投資家がより米国株を買いやすい環境となっています。

為替手数料はSBI証券が圧倒

各証券会社の為替手数料は以下の通りとなります。

SBI証券

  • 買付 25銭(住信SBIネット銀行を利用時は4銭)
  • 売却 25銭(住信SBIネット銀行を利用時は4銭)

楽天証券

  • 買付 25銭
  • 売却 25銭

マネックス証券

  • 買付 0銭
  • 売却 25銭

為替手数料についてはSBI証券が圧倒しています。グループ銀行の住信SBIネット銀行を利用すれば通常25銭の為替手数料を4銭で行うことができます。これは非常に大きなメリットです。往復で考えると50銭のところが8銭ですからね。これは無視できません。しかも、外貨積立を利用すれば2銭まで下げることも可能です。マネックス証券は買付時は無料ですが、売却時に25銭となり、トータルではやや劣ります。楽天証券は買付、売却ともに25銭かかるため、かなり資金面で不利な状態です。楽天証券はグループに楽天銀行を持っているのでSBI証券のようなサービスをできるのではないかと思っていますが、なかなかうまくはいかないようです。楽天銀行自体の為替手数料が通常で25銭ですし、外貨入金にも楽天銀行からは対応していません。この辺りのサービス向上は期待したいところです。

ETFの管理費自体は変わらないが、買付手数料無料商品のラインナップが違う。

ETFの管理費用ですが、これは証券会社による違いはありません。しかし、各証券会社によって買付手数料無料で取引できる商品のラインナップが違います。先ほども述べたように通常はETFも株式と同様に売買するときに手数料を支払います。しかし、いくつかの商品については買付時の取引手数料を免除しているのです。なのでその違いについてみていきます。

SBI証券

  • VT バンガード トータル ワールド ストックETF
  • VOO バンガード S&P 500 ETF
  • VTI バンガード トータルストックマーケットETF
  • IVV  iシェアーズ S&P 500 ETF
  • SPY SPDR S&P 500 ETF トラスト
  • EPI ウィズダムツリー インド株収益ファンド
  • DHS ウィズダムツリー米国株高配当ファンド
  • DLN ウィズダムツリー米国大型株配当ファンド
  • DGRW ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長

楽天証券

  • VT バンガード®・トータル・ワールド・ストックETF
  • VOO バンガード・S&P 500 ETF
  • VTI バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
  • SPY SPDR S&P 500 ETF NYSE Arca
  • RWR SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF
  • GLDM SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
  • AIQ  グローバルX AIビッグデータ ETF
  • FINX グローバルX フィンテックETF
  • GNOM グローバルX ゲノム&バイオテクノロジーETF

マネックス証券

  • VT バンガード トータル ワールド ストックETF
  • VOO バンガード S&P 500 ETF
  • VTI バンガード トータルストックマーケットETF
  • IVV  iシェアーズ S&P 500 ETF
  • SPY SPDR S&P 500 ETF トラスト
  • EPI ウィズダムツリー インド株収益ファンド
  • DHS ウィズダムツリー米国株高配当ファンド
  • DLN ウィズダムツリー米国大型株配当ファンド
  • DGRW ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長

SBI証券とマネックス証券は全く同じラインナップとなっています。3社に共通するのはVT、VOO、VTI、SPYの4つで、米国や世界株式のインデックスに投資する商品となっており、非常に投資家から人気のあるものです。その他はSBI証券とマネックス証券は配当を重視したETFが並んでおり、配当目的の投資家を取り込もうという意思が見えます。逆に楽天証券はRIETやゴールド、AIや金融やバイオテクノロジー分野のETFが並んでおり、今話題の分野を並べて投資家を取り込もうというしているようです。この辺は各社の色が出ていて面白いと思います。

まとめ

今日は米国株取引にかかわる手数料についてみていきました。最近は本当に投資にかかる手数料は安くなったと思います。一昔前では無料の商品が出てくるなど考えもつきませんでした。それだけいい時代となってきたということでしょう。いつも言っていますが、手数料というのは極力避けるべきです。そのコントロールをどれだけうまくできるかが成功のカギを握るといっても過言ではありません。なのでなるべく手数料の安い証券会社、商品を選ぶようにしましょう。個人的にはSBI証券が一番米国株取引には最適だと思っています。やはり為替手数料の圧倒的安さは無視できません。取扱商品も非常に多く、個人投資家にとって必要なものは十分にそろっていると思います。VTやVTIなどの人気のETFが無料で買い付けできるというのも非常に素晴らしいです。このように、個人投資家が資産を守り、育てる環境は整ってきています。皆さんも自分に合った証券会社、商品で、資産を守っていきましょう。