14日発表の各指標は想定通り。インフレは以前健在。

14日は米国でたくさんの指標の発表がありました。いずれもインフレが依然と続いており、また米国経済は今のところは堅調であることが示されたように思います。今回の発表でもこれまでのインフレの状況を補足するという意味で重要であり、まだまだこの流れが続いていくのだろうということを予想させます。そういう意味で今日は14日に発表された経済指標についてみていきます。

小売売上高は上昇

14日に米商務省が発表した3月の小売売上高は前月比0.5%の上昇でした。これは主にガソリンと食品の上昇が大きな要因であり、それを除くと0.3%減という結果です。ウクライナ情勢によるエネルギーや食品価格の上昇の影響は依然続いており、今後もこの傾向は続いていくものと思われます。

輸入物価も高い伸び

14日に労働省から発表された3月の輸入物価は前月比で2.6%の上昇となり2011年4月以来の高い伸びとなりました。こちらもウクライナ情勢による影響が大きく出ているものと思われます。市場予想は2.3%であり、物価の上昇は依然衰える気配がないというところです。変動の大きいエネルギーや食品を除いたコア指数で見ても1.2%の上昇であり、インフレを止めることはまだまだ難しそうです。

労働市場は依然堅調

14日に労働省が発表した1週間の新規失業保険申請件数は前週比で1万8千件増の18万5千件となりました。市場予想は17万1千件であり、予想よりは多くなっていますが、依然として低水準であることには変わりなく、労働市場は順調であることが裏付けられた格好となっています。

消費者心理は若干の改善

米ミシガン大学が発表した4月の消費者信頼感指数は65.7と2011年以来の低水準だった3月の確報値59.4から上昇しました。労働市場が依然堅調であり、賃金上昇が見込めることと、エネルギー価格が高値から戻したことにより、インフレ懸念が和らいだためだと思われます。しかし、1年後の期待インフレ率は5.4%と依然として高く、将来の不安要因はまだ残っているのが現状です。

今のところ何とかなっているが将来はどうなるかかなり不安

今回の発表は今まで発表されてきた指標を補完するものとして十分でしょう。依然としてインフレは健在であり、まだまだ落ち着く様子は見られません。ウクライナ情勢もそれを後押しするには十分であり、全く終わる気配がないところを見るとしばらくはこのまま続いていくのでしょう。仮にウクライナ情勢の終わりが見えたとしたら、一時的に物価は落ち着くかもしれませんが、根本的な問題は何も解決していないので下落は一時的なものになると思われます。正直、ウクライナ情勢が早期に集結するとは思えませんが、仮にそうなったとしてもインフレが収まるということはなく、一時的な下落が起きる程度ではないかと思います。今のところ労働市場が堅調なため、景気後退局面にはなっていないと思いますが、いつまでこの状況が持つのかはわかりません。いずれ労働市場も悪化していく可能性も否定できないと思います。FRBの金融政策のこともありますし、短期的にはそこまで悪くはないと思いますが、1年程度先には景気後退局面に入っていてもおかしくはないでしょう。

まとめ

今日は14日発表の指標についてみてきました。まあ、当たり前といってはそうですが、特別驚くようなものはありませんでした。依然としてインフレは続いており、この流れはしばらく変わらないでしょう。ウクライナ情勢も心配ですが、やはり一番影響が大きいのはFRBの金融政策だと思われます。ウクライナ情勢の変化も影響がないとは言いませんが、あったとしても一時的なもので、状況を大きく変えるものではないような気がします。そういう意味では今後もFRBnお金融政策に注目していかなければならないでしょう。