FOMCにて25bp出の利上げが決定。ほぼ事前の予想通りかな。

31日と1日、市場が注目するFOMCが開催され、政策金利を0.25%引き上げることが決定されました。これは大方の予想通りの結果であり、特別驚くことではないでしょう。そしてFOMC後の記者会見ではパウエル議長が引き続きインフレ抑制に力を注ぐ旨の発言をし、これまで通り政策の変更はないとしています。市場では一部今回のFOMCにて政策の変更が行われるのではないかという憶測も出ていましたが、さすがにそれはなかったということです。今後も引き続きインフレ抑制のためにFRBは邁進していくことでしょう。

25%での利上げが決定

1月31日と2月1日にFOMCが開催され、政策金利を0.25%引き上げることを決定しました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は1月31日-2月1日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決めた。FOMCはインフレ抑制に向けた取り組みを続けているが、そのペースを減速させた。一方、今後さらに複数回の利上げが適切になるとの認識も示した。

  今回の利上げでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは4.5-4.75%となった。昨年12月の会合では政策金利を0.5ポイント、それより前は4会合連続で0.75ポイント引き上げていた。今回の政策決定は全会一致。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、FOMC声明発表後の記者会見で「われわれは大きく進展したと考えている」としつつ、「それでも、さらなる仕事が残されている」と述べた。

  FOMCが会合後に発表した声明では、「委員会はインフレ率を時間とともに2%に戻すべく十分に抑制的な金融政策スタンスを実現するためには、継続的な誘導目標レンジ引き上げが適切になると見込む」との文言が繰り返された。  

  一方で今回の声明は、利上げサイクルの終了が視野に入っている可能性があることも示唆。政策金利を「今後どの程度引き上げるか」を決定する上では、金融政策の累積的な引き締めを含む複数の要素に左右されると記された。従来は、そうした要素は今後の引き上げ「ペース」を決定する上で考慮するとしていた。

  このほか前回声明からシフトした点として、インフレについて「幾分和らいだが、依然として高水準」とし、物価圧力がピークを過ぎたと当局者らが自信を強めつつあることが示唆された。前回の声明では単に「高止まり」していると記されていた。

  インフレが鈍化し経済成長が減速する中で、FOMCが年内利下げに動くとの市場の期待をパウエル議長が押し返すかどうかに投資家の注目が集まっていた。

  パウエル議長は会見で、「物価安定の回復には、抑制的なスタンスをしばらく維持することが必要となる可能性が高い」と指摘。物価圧力に関する最近の指標は心強い内容だとしながらも、「勝利を宣言するのは極めて時期尚早だ」と言明した。

  「ディスインフレが現在進行中でありながら、労働市場の力強いデータが続いていることは喜ばしい」としつつ、インフレ率が持続的な低下軌道にあることを示す「さらにずっと多くの証拠」を目にする必要があると語った。

引用:bloombergより

このようにFRBは25%という最近ではかなり低い数値での利上げを行いました。これまでは急激に上昇したインフレを抑えるべく金利を引き上げてきましたが、最近はやや物価の落ち着きもみられるため控えめな利上げ幅になった形です。しかし、落ち着いてきたとはいえインフレは依然として健在であり、すぐに利下げということにはなりそうもありません。会見でパウエル議長もそのことを指摘しており、現在の状況は好ましい状況ではあるが、まだ楽観はできないという認識を示しています。そのため今後も厳しい引き締め政策は実行されていくことでしょう。そういう意味では一部で出ていた緩和論というのは今回で否定された形となったような気がします。

ほぼ事前の予想通り

今回の結果についてはほぼ予想通りかなという感じです。利上げ幅についてはもうこの一択という感じでした。少なくとも今回はタカ派の人もハト派の人も含め多くの人の意見が25bpでしたし、当然だろうという印象です。問題は会見でパウエル議長がどのような発言をするかということですが、やはり市場にあった楽観論を諌める様な発言をしたと思います。パウエル議長は現在の状況を交換しながらもまだまだやるべきことはたくさんあり、インフレに打ち勝ったというには早すぎる旨を述べています。そういう意味ではこの辺りも私にとっては予想通りという感じです。最近の市場の楽観論というのはやや行き過ぎているような気がします。そういう意味では今回のFOMCは事前の予想通りに終えたような気がしています。

まとめ

今日は今年最初のFOMCの結果についてみてきました。内容としてはほぼ事前の予想通りであり、何もサプライズというものはなかったように思います。そして一部にあった緩和論を一蹴したという意味では非常に意味のあるものではなかったかと思います。やはりこのインフレを退治するのはそう簡単ではありませんし、現在の労働市場を見る限り、そこまで焦る必要もないでしょう。そういう意味では今回のFRBの決定というのは非常にまっとうなものだったのだろうと思います。