ステパンが四半期配当を9.8%増やし、連続増配年数を54年としました

ステパンは10月20日、普通株式の四半期配当を0.335ドルとすることを決定しました。これは前回の四半期配当0.305ドルより9.8%の増加となります。この結果により、ステパンは連続増配年数を54年に伸ばしました。これはとてもすごいことです。半世紀以上、配当を増配し続けるというのは並大抵のことではありません。この結果は称賛に値します。ちなみに、50年以上の増配を続けた企業は配当王と呼ばれます。なので、ステパンも立派な配当王です。というわけで今日は、ステパンについて見ていきたいと思います。

事業内容

ステパン(Stepan Co)は、特殊化学品および中間化学品を製造する。【事業内容】界面活性剤、ポリマー、特殊製品の3つの事業セグメントで運営される。界面活性剤セグメントは、衣類、食器、カーペット、床、壁を洗うための洗剤、シャンプー、ボディウォッシュなど、消費者向けおよび産業用クリーニング製品の主成分である製品を提供する。界面活性剤の他の用途には、柔軟仕上げ剤、潤滑成分、農産物を広めるための乳化剤、およびラテックスシステムと複合材料などの工業用途が含まれる。ポリマーには、ポリウレタンポリオール、ポリエステル樹脂、無水フタル酸が含まれる。ポリウレタンポリオールは、建設業界の断熱用硬質フォームの製造に使用され、コーティング、接着剤、シーラント、エラストマーの基本原料でもある。特殊製品には、食品、香料、栄養補助食品、および医薬品用途で使用されるフレーバー、乳化剤、および可溶化剤が含まれる。

引用:investing.comより

ステパンは、イリノイ州ノースブルックに本拠地をおく、幅広い業界で使用される特殊および中間化学物質の大手メーカーです。同社は、消費者および産業用の洗浄および消毒製品、農業および油田ソリューションの主要成分である界面活性剤の大手企業です。同社はまた、拡大する断熱材市場、およびCASE(コーティング、接着剤、シーラント、およびエラストマー)業界で使用されるポリウレタンポリオールの大手サプライヤーでもあります。

同社の製品は世界中に広がっており、景気に左右されない需要を持っています。いわゆるサブプライムローンを発端としたリーマンショック時において、S&P500指数は38%下落しましたが、ステパン株は45%上昇しました。このように、景気後退局面でも強い株価を示すほど、非常に安定した事業を行っています。

通期業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

上昇、下落を繰り返しながら、緩やかに業績は上昇しています。業績が2倍、3倍と言うことはなさそうですが、非常に安定感のあるグラフだと思います。長い歴史を持つ企業ならではという感じです。グロース株のように短期間での大きな利益は見込めないかもしれませんが、着実な利益をもたらしてくれそうです。

株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

株価も右肩上がりのきれいな上昇をしています。新型コロナウィルスの影響もすでに回復しています。最近は下落傾向でしたが、すでに反転の兆しは見えています。業績も好調ですから、今後に期待はもてるでしょう。株価が下落している今は投資するチャンスかもしれません。

セグメント構成

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

多くは界面活性剤関連による利益のようです。70%以上を締めています。残りはポリマーとそれ以外ということです。自分たちの強みに特化している感じです。

セグメント業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

界面活性剤関連は概ね順調に業績が伸びているようです。しかし、ポリマーについてはあまりうまく行っていないようです。界面活性剤関連が伸びているのでいいですが、あまりに長期間、業績が伸び悩むと心配になるところです。

年間配当履歴

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当は非常に順調に伸びています。流石に54年間連続増配をしている企業というところでしょう。業績も悪くないので、しばらくは順調な増配が期待できるかもしれません。

配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当利回りは1.0%と若干低めです。やはり、安定企業ということで買われすぎているのでしょうか。配当狙いの投資家には少し物足りないかもしれません。ここまで低いと、インカムゲイン目的の投資はしづらいでしょう。配当性向は18.8%と十分安全圏にいます。しばらく配当資金の心配はなさそうです。欲を言えば、余裕があるのだからもう少し配当に回してほしいものです。

PER

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

PERは過去と比較して非常に低水準です。過去5年で一番の底値をつけているようです。特別業績も悪くはありませんし、購入するチャンスかもしれません。

貴族株指標

  • 増配年数 53年
  • 配当利回り 1.08%
  • 1年増配率 10.24%
  • 3年増配率 10.39%
  • 5年増配率 9.13%
  • 10年増配率 8.71%
  • 配当性向 19.30%
  • PER 17.87

参照:U.S.DividendChampions 2021/09/30より

連続増配年数は53年となっていますが、今回の増配で54年となります。配当貴族だけではなく、配当王としてとても立派な数字です。この数字を見ただけで、非常に安定している事業と、強固な財務基盤があることがよくわかります。配当利回りは1.08%と若干低めです。配当狙いとしてはやや厳しいでしょう。グロース株でもありませんし、短期的な株価上昇も見込めません。よって、長期的な株価上昇を狙っての投資となるでしょう。増配率も10年間10%前後をキープしています。この数字からも業績が非常に安定していることがよくわかります。配当性向も19.30%と20%以下です。資金面での心配はまったくないと言っていいと思います。しばらくは配当資金の枯渇の心配はなさそうです。PERも過去と比べて非常に低水準です。投資するタイミングとして問題はないでしょう。

まとめ

今日はステパンについて見ていきました。連続増配年数54年と、非常に安定した優良企業で、投資対象としてとても魅力的にみえました。また、今回の発表では最大1億5千万ドルの自社株買いも発表しています。余剰資金も潤沢にありそうですし、株主還元の一環としての実施でしょう。とても素晴らしいことだと思います。配当狙いや短期のキャピタルゲインを狙ってというのは難しいかもしれませんが、長期保有の株としては非常に優れた銘柄だと思います。