上院でもパウエル議長は厳しい金融政策への決意を表明する

先日に続き、パウエル議長による議会証言が昨日は行われました。内容としては前回と同じような内容であり、特別大きなものはなかったように思います。まあ、これだけ短期間に行われているものなので、あまりに内容が変わっていたらそれはそれで困ってしまいます。なので当然の結果ですが、改めて今後の金融政策もインフレ抑制に邁進していくことを確認するものとなっています。

今度は上院での証言を行う

先日に続き、昨日は上院での議会証言をパウエル議長は行いました。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は22日に上院銀行委員会で証言し、インフレ率を2%に回帰させることが米経済の長期的な健全性を支援する上で不可欠だとの認識を示した。年内に追加利上げが必要となる可能性があるとの見解も明らかにした。

  パウエル議長は、政策金利が適切に景気抑制的な水準に既に引き上げられていたとしても、経済がほぼ予想通りに推移するならば、政策当局は「年内に再び、恐らく2回の利上げを行うことが適切になる」と感じていると述べた。

  高インフレの影響を最も直接的に受けているのは勤労者世帯だと指摘。「インフレ率2%という状態を持続的なベースでこの国に取り戻すことが必要で、それがこうした人々、および他のあらゆる人々のためになる」と発言。「われわれはインフレ抑制にコミットしている。連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の大多数は、そこに近づいているが、もう少し利上げの余地が残っていると感じている」と述べた。

  パウエル氏は前日の下院金融委員会に続き、半期に一度の議会証言を行った。民主党議員からは信用引き締めによる失業率上昇の懸念も提起されているが、パウエル氏はこの日もインフレを当局目標に戻すことに全力を注いでいるとの考えをあらためて示した。

  パウエル議長は「必要以上のことはしたくないが、委員会参加者の圧倒的多数が追加利上げはあると考えている。ただ、金融当局として良い判断ができるよう、今後入手する情報の精査が可能なペースで利上げを実施したい」と語った。

引用:bloombergより

このように内容としては前回、下院で行われたときと同じようなものとなっています。年内にあと2回の利上げがある可能性があり、インフレ抑制にFRBは全力を注ぐ旨の決意が述べられました。議員からは景気に対する不安も述べられましたが、パウエル議長はそれよりもインフレ抑制に注力することを明言し、少々のことではその手は緩めないということを表明したようになっています。そういう意味で今後も引き続き厳しい金融政策はしばらく継続するということを改めて確認する結果となりました。

マーケットは厳しい展開が続く

当たり前といえば当たり前ですが、数日前の下院での内容とほぼ同様の結果となっています。改めてFRBはインフレ抑制を第一に考え、経済は後回しという姿勢であるということを確認するものとなりました。そういう意味では株式市場にとってはやや厳しいものとなる可能性が高くなったというべきでしょう。しかし、いつまでもインフレに居座られても、それはそれで困りものですから致し方のないところかもしれません。いずれにせよ、これだけ強力な決意表明を連日に渡って行ったわけですから、その姿勢というのはそう簡単に変わることはないでしょう。また、マーケットもその覚悟というものを十分に認識したと思われます。そういう意味では株式市場も非常に低調な動きというのが続いていくことと思われます。

まとめ

今日はパウエル議長の議会証言について見てきました。前回と同様の内容ということで大きなサプライズはありません。しかし、インフレ抑制に対する強い決意を確認するものとなっており、株式市場にとっては厳しい状況はしばらく変わらないということも認識する必要がありそうです。当初想定していたとおり、2023年は株式市場にとってはあまり良い年ということにはなりそうもありません。