米国経済のリセッションの可能性は更に低下したのだろう

金融政策の不透明感は増すばかりですが、それでも米国経済は力強く成長しています。先日もエヌビディアが好決算を発表し、まだまだ限界には到達していないだろうことを感じさせています。そのようなこともあり、今後の経済見通しについてもやや明るさが出てきています。

リセッションの可能性は低い

先日発表された記事によると、多くのエコノミストは今後のリセッション確率が更に低下したと感じていることがわかりました。

エコノミストの間では米経済がリセッション(景気後退)の陥るとの予想が再び後退した。堅調な雇用市場と個人消費が当面の経済成長を支えるとの見方が背景だ。

  ブルームバーグがエコノミストを対象に実施した最新の月間調査によれば、今年の米経済成長率は年率2.1%と予想されている。前月の調査では同1.5%だった。力強い家計の需要と政府支出が支えになるとみられている。

  調査回答者が予想する今後2年間の個人消費の伸びは、前月の予想と比べてそれぞれ0.5ポイント近く高かった。個人消費は米国内総生産(GDP)の3分の2を占める。

  エコノミストらは米国経済について、良好だった2023年の後ではやや失速すると予想するが、なお力強い労働市場とインフレ減速が引き続き家計の需要を後押している。

  米国の底堅さを踏まえ、調査回答者は失業率のピークは年内に4.1%とみている。前月は4.2%だった。米国の雇用は26年末までの拡大が見込まれている。

  調査によれば今後1年間にリセッションに陥る確率は40%と、22年半ば以来の低水準だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)による積極的な利上げ局面が終わりに近づいていた23年前半に同確率は65%に達し、ピークを付けていた。

  今回の調査はエコノミスト72人を対象に2月16-21日に実施された。 

引用:bloombergより

このように多くのエコノミストは今後米国経済がリセッションに陥る可能性はさらに低下したと考えているようです。その大きな要因というのは底堅い雇用と強い消費であるということです。実際、非常に厳しいインフレと高金利に苦しめられ続けていますが、米国の労働市場は全くと行っていいほど悪化しません。多少なんかの兆しは見せたりはしますが、非常に底堅く推移してます。そういうこともあって消費も強いということはないかもしれませんが、非常に堅調に推移しています。この状況が続けば経済が大きく失速するということはまず考えられないでしょう。もちろん大きく成長するかどうかは今後の経済政策等によるところですが、少なくともリセッションの陥るような状況ではないことは確かなようです。

労働市場が安定している限り問題ないであろう

最近は利下げ期待も後退し、やや見通しが不透明になってきてはいますが、それでも米国経済事態が悪いということはないと思います。そもそも利下げをする状態ではないということがまだまだ米国経済が力強いということの裏返しでもあるため、当然といえば当然なような気もします。もちろんだからといってインフレを放置して言い訳がないので、しっかりと適度に経済を冷やす必要はあると思いますが、現状を見る限り、大幅なリセッションなど大きく経済を失速させることはないのかなという感じです。今後は粘着性の高いインフレにより、金融政策も想定よりも厳しく推移することが予想されますが、それでも景気減速に陥る可能性は非常に小さいと見ていいのだろうと思います。

まとめ

今日は今後のリセッションの可能性について考えてきました。やはり米国の経済は力強く、リセッション入りの可能性は非常に小さいのだろうというのが正直なところです。ここまで強さを保ってきた労働市場を考えれば、今後急激にそれが悪化するとはあまり考えられません。であれば消費もそう落ち込むことはなく、経済を支え続けることでしょう。そういう意味ではリセッションの可能性というのは非常に小さいのだろうと感じています。