先行き対する強気な見方をしている人が多くなってきているようです。

米国経済の先行きについては不透明感は依然として拭えませんが、それほど悲観的に見ている人は少ないようです。最近の調査によれば、米国経済の先行きについて以前よりも楽観的に感じている人の割合は増えているとのことです。今年は大統領選挙も控えてますし、インフレの瞳孔もやや読めなくなってきています。しかしながら米国経済の力を疑う人は少ないということなのでしょう。

先行き対する楽観論が増加

先日、ブルームバーグによるエコノミストへの調査により、米国経済の先行きに対して以前よりも楽観的に見ている人が増えていることが明らかとなりました。

米経済の先行きについて、エコノミストは明らかに6カ月前よりも前向きになっている。インフレ抑制の進展を妨げることなく、力強い雇用の伸びが個人消費と成長を促進していることから、2023年とほぼ同程度の成長を見込んでいる。

  ブルームバーグの月間エコノミスト調査によると、今年の成長率予想は平均2.2%と、昨年9月時点の予想の2倍余りになった。今後1年以内にリセッション(景気後退)に陥る確率は35%と、9月の55%から低下し、2022年7月以来の低水準となった。

  回答者は2024年に月平均15万人の雇用者数増加を予想しており、これは6カ月前に予想していた数の4倍を上回る。米経済の約3分の2を占める個人消費は2%増を見込んでいる。

  今年の民間投資については、9月の1%増から2.4%増に上方修正している。

  こうした予測の見直しに加え、1月と2月に発表された驚くほど強いインフレ指標にもかかわらず、エコノミストは物価が抑制されるとの見通しを維持した。

  米金融当局が基調的なインフレを判断する上で重視する個人消費支出(PCE)コア価格指数については、2024年に平均2.5%上昇と予想されている。これは9月時点の予想よりもわずかに低く、実現すれば昨年末の2.9%上昇から有意な改善になる。

  回答者の予想中央値によれば、インフレ率の低下により、米金融当局は6月までに利下げを開始し、年末までにさらに2回の利下げを実施する。

  利下げ回数は先月の予想より1回少なく、当局者の予測と一致した。しかし直近の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での予想中央値は、今年2回の利下げに近づいた。

  INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「FOMCは景気後退を避けられるのであれば、それを引き起こしたくない。金融政策を景気に抑制的な姿勢からより中立的な姿勢に移行し始めるのは、夏の前になると考えている」と述べた。

  ブルームバーグが3月18-21日に実施した同調査では、高止まりする金利が最終的に国内総生産(GDP)に重くのしかかるとの予想が続いた。2025年成長率予想の中央値は1.7%と、9月の予想をわずかに下回った。

引用:bloombergより

このように、多くのエコノミストは米国経済の先行きについて楽観的です。たしかに米国経済は厳しいインフレや金融政策の中にあっても力強い成長を続けています。雇用は予想外に安定をしており、失業の不安を抱えている人というのは少ないでしょう。インフレも依然として厳しいことには代わりありませんが、労働市場の安定という要因もあり、消費者の消費意欲というのはそこまで落ち込んでいないのが現状です。そういう意味では思っているほど米国経済は悪化しない可能性があり、今のところそのようになっているというのが事実だろうと思います。そういう意味では今後の展開についてもそこまで悲観することはないのかなという感じもします。

結局の所、未来のことは誰にもわからない

厳しい経済状況が続く中にあっても比較的楽観的に考える人が増えているということは意外なような気増しますが、いつものマーケットのような感じがしないでもないかなという感じがします。最近のマーケットというのはいつも楽観的に考えているようです。そういう意味では先行きに対してこのような考えでいるというのも納得できるのかなという感じです。そうはいってもその楽観論が正しいかどうかはまた別問題です。実体経済を見れば正直そこまで楽観的になれるようなものではないような気はします。もちろんあまり悲観的になることもないとは思いますが、確実にこれからも成長を続けていくという保証はどこにもないということです。去年は多くの人が悲観的な一年を予想していましたが、結果的には非常に強い成長を遂げた一年でした。そのようにポジティブに予想を裏切られることもあれば逆になることも当然ながらありえます。そういう意味では今のところ強気な味方が多いけれど、結局の所あまり良い一年ではなかったなんてことも十分にありえることは頭に入れておいたほうがいいでしょう

まとめ

今日は今後の先行きについて考えてきました。意外とこれからの経済に対して楽観的に感じている人が多いようです。しかしながら、それが実現するかどうかは全くの未知数であり、あまり鵜呑みにしないほうがいいのだろうという感じがします。もちろんあまり悲観的になる必要もありません。このような将来予想というのは参考程度にしておくのがいいでしょう。結局の所、やることは何も変わらないのです。