7月のPCEは小幅な伸びにとどまる

7月のPCEが昨日発表され、引き続き個人消費は抑制されていることがわかりました。個別で見れば非常に伸びているものもありますが、持続的なものではなく、一過性である可能性が高いと見られているようです。これにより今の所、FRBが目指すソフトランディングへと順調に進んでいると言っていいのかもしれません。

7月のPCEは小幅な伸びにとどまる

昨日発表された7月のPCEは非常に小幅な伸びとなっています。

米個人消費支出(PCE)コア価格指数は7月に前月比ベースで小幅な上昇にとどまり、2カ月間の伸びとしては2020年終盤以来の最小となった。同指数は米金融当局が基調的なインフレの指標として重視している。個人消費を促すとともに、経済はリセッション(景気後退)を回避できるとの期待を高める格好となった。

  インフレ調整をした実質PCEは前月比0.6%増。1月以来の大幅な伸びとなった。

  低いインフレの数字は、米金融当局が物価圧力の抑制において過去1年余りに遂げた進展を示す。とはいえ、勝利宣言する状況では全くない。個人消費の強さはインフレ緩和を継続させようと努める当局にとって新たな懸念材料となる。

  今回の統計で一つ気掛かりなのは、米金融当局が注視するサービス価格の指数。ブルームバーグの算出によれば、住宅・エネルギーサービスを除くサービス業の価格指数は前月比0.5%上昇し、1月以来の高い伸び率だった。ポートフォリオ管理や投資顧問で異例な伸びが示され、指数全体をゆがめる格好となった。このカテゴリーを除いたベースの、いわゆる「スーパーコア」サービス価格指数は前月比で0.25%上昇。

  7月は賃金・給与が上昇した一方、個人消費を支える実質可処分所得は前月比0.2%減少した。

  財への支出はインフレ調整後で前月比0.9%増と、1月以来の大幅増加。さまざまな財への消費が拡大した。

  サービスへの支出は0.4%増と、前月から伸びが加速。外食が増えたほか、平年より気温が高かったことから公益サービスの利用も増加した。「バービー」や「オッペンハイマー」などの映画やコンサートへの支出も伸びに寄与した可能性が高い。

  ブルームバーグ・エコノミクスのスチュアート・ポール、イライザ・ウィンガー両エコノミストは、「消費の主要なカタリストが夏の大ヒット映画やコンサートツアー、株式相場の上昇と、総じて一過性のものであることから、消費減速は差し迫っているというのがわれわれの見方だ」とコメントした。

  貯蓄率は3.5%に低下し、昨年11月以来の低水準となった。最近の消費ペースはこの先持続できない可能性があることが示唆された。

引用:bloombergより

このように米国の個人消費は弱いということはありませんが、力強いということもなさそうです。一部強く上昇しているものもありますが、一部のサービス価格によるものであり、これはヒット映画があったことや気候条件によるものであるため、今後も継続的に価格を押し上げるものではないでしょう。そういう意味ではやはり個人消費はやや低調な傾向は続くものと見られています。

ソフトランディングへの希望は消えない

今の所、ソフトランディングへの希望は十分にあると言っていいでしょう。インフレを押し上げるほどの消費は存在せず、かと言って経済を失速させるほどのものでもありません。そういう意味では非常に理想的な状態と言っていいのかもしれません。少なくともいい方の予想の範囲内ではないかと思います。そういう意味では今後予想外の金融政策を売ってくる可能性というのはやや低いのかなという感じがします。もちろん今後はやや経済が失速する予想も出ており、予断は許しませんが、とりあえずは良しというところでしょう。

まとめ

今日は7月のPCEについて見てきました。ソフトランディングへ向けて今のところ順調と言っていいでしょう。まだまだ道のりは長く、険しいですが希望は十分持てる展開だとお思います。この調子で今晩の雇用統計にも期待したいところです。