ナスダックはベアマーケットに突入。しかし悲観する必要はない。

インフレの高まりからロシアのウクライナ侵攻と世界情勢はめまぐるしく動いています。そして去年まで順調だった株式市場は久しぶりに軟調な展開が続くようになりました。ここ数年、とにかく株式に投資していればよいという状況が続いていたために、この変化に戸惑っている人も多いのではないかと思います。しかし、株式市場というのは長期的に見ればこのようなことは日常茶飯事であり、何も珍しいことではありません。何か世界が全く違ったものになったというような論調も見受けられますが、僕らの住む世界というのは今も昔も何も変わりません。なので当たり前のことを淡々と行っていけばいいのだと思います。株式市場が現在、どのような状況にあるのかを確認し、これからのことを考えてみたいと思います。

ナスダック20%下落でベアマーケットに突入。歴史から考察する今後の行方 | 岡元兵八郎の米国株マスターへの道 | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

ウクライナ情勢の影響でナスダックはベアマーケットに突入。ナスダックはベアマーケット入り後、時間の経過とともに高い確率で上…

ナスダックはベアマーケットへ移行

ロシアによるウクライナ侵攻によって株式市場は大きく下げることになりました。世界的なインフレ懸念により、ただでさえ下落傾向にあった株価に追い打ちをかけるような出来事であり、投資家の心理は一気に低下したものと思われます。その結果、株式市場はベアマーケットへと移行しました。ベアマーケットとは市場全体が悲観論に満たされる中、株価が20%以上下落した状態のことを言うそうです。

ベアマーケットとは、広範的な悲観論と否定的な投資家心理の中、株価が20%以上下落した状態のことです。今回のベアマーケットは1971年にナスダック総合株価指数が生まれてから13回目のことです。

引用:ナスダック20%下落でベアマーケットに突入。歴史から考察する今後の行方 より

このように株式市場は久しぶりに悲観論に満たされているような状態になりました。特にグロース株などが多いナスダック指数は大きく下落しており、より投資家心理を表した状態となっています。

ベアマーケットは長くは続かない

それでは今後はどのようになるのでしょうか。マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント兼マネックス・ユニバーシティ シニアフェローの岡元 兵八郎氏によると、ナスダックではベアマーケットへ突入後は時間経過とともに高い確率で株価は上昇するのだそうです。

肝心のその後、つまりナスダック総合が20%下落した後の同指数のパフォーマンスですが、1週間後は平均+0.6%(中央値は+1.2%)、1ヶ月後では平均+2.5%(同+0.4%)、3ヶ月後は平均+11.8%(同+10.4%)、6ヶ月では平均+17.7%(同+11.1%)、12ヶ月後では平均+21.7%(同+16%)とそれぞれ上昇しています。次にナスダックが20%下落した後、同指数がプラスになった確率は以下の通りです。1週間後(58.3%)、1ヶ月後(50%)、3ヶ月後(66.7%)、6ヶ月後(83.3%)、12ヶ月後(75%)。

引用:ナスダック20%下落でベアマーケットに突入。歴史から考察する今後の行方 より

このようにベアマーケットへ突入したとしても、その多くは下落が何年も続くということはなく、結果的には株価はその後上昇に転じているのです。そういう意味では今回のような株価の大幅な下落というのも長期的な視点で見ればそこまで気にするようなことでもないのかもしれません。

過去は未来を保証するものではない

ただ、これはあくまで過去の話であって、必ず将来もこのような結果が訪れるという保証はありません。そこはきちんと認識しておくべきでしょう。株価が上昇したということについても、時間がたてば上昇に転じたというのはある意味当たり前のことです。株価は上昇、下落、横ばいの3パターンしかありません。なので下落の後に来るのは横ばいか上昇の2択です。要は50%の確率で上昇は起きるはずなのです。もちろんこれは非常に単純に物事を考えているので少し乱暴な言い方です。しかし、株価が下落した後上昇するということは、何も珍しいことではないということは確かなので、そこは注意しておいた方がいいでしょう。もう一度言いますが、あくまで過去の話は過去の物であり、未来を保証するものではないのです。

まとめ

今日はベアマーケット突入の話題から、今後の株価について考えてみました。大きく下げた株式市場には非常に悲観論が漂っています。しかし、短期的には厳しくとも長期的に見れば私は株価は上昇するとみています。先ほど述べたように1年程度でこの下落相場が終わるかはわかりませんが、長期的に見れば上昇する余地は十分にあるでしょう。もし、株価がもう上昇しないというのであれば、それは資本主義の世界が終了するということであり、世界の仕組みが根本から変わっていくことになるでしょう。であればもうお金を持っていてもしょうがないでしょうし、そんな状況のことはあまり考える必要はないと思います。今後もこの自由な資本主義が続くと考えるのであれば株式市場は長期的に見て十分に投資する価値はあるのではないかと思います。