FOMCでは75bpでの利上げを決定。大きなサプライズはなかった

11月1日と2日にFOMCが開催されました。そこで4回連続となる75bpでの利上げが決定され、引き続き強い姿勢でインフレに対峙していくことを示した格好となりました。この結果についてはある程度予想通りだったのかなという印象です。しかし、改めてタカ派の姿勢を示したFRBに対して警戒感を示した株式市場もあったりと反応は様々といったところです。というわけで今日は11月のFOMCについてみていきます。

75bpでの利上げを決定

今年あと2回の開催となったFOMCですが、今回の会合では75bpでの利上げを決定し、引き続きインフレ抑制に邁進していく姿勢を示しました。以下はパウエル議長の声明文です。

  最近の指標は支出と生産の緩慢な伸びを示している。雇用はこの数カ月、堅調に伸びており、失業率は低いままだ。インフレは高止まりし、それはパンデミックに関連した需給の不均衡と食品・エネルギー価格の上昇、より広範な価格圧力を反映している。

  ロシアがウクライナに仕掛けた戦争は人的・経済的に甚大な苦難を引き起こしている。この戦争と関連の事柄はインフレを一段と押し上げる圧力を生んでおり、世界の経済活動への重しとなっている。委員会はインフレリスクに細心の注意を払っている。

  委員会はより長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。これらの目標実現を支えるため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを3.75-4%に引き上げることを決めた。委員会はインフレ率を時間とともに2%に戻すべく十分に抑制的な金融政策スタンスを実現するためには、継続的な誘導目標レンジ引き上げが適切になると見込む。誘導目標レンジの今後の引き上げペースを決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅効性、経済や金融の情勢を考慮する。

  さらに委員会は5月公表の米連邦準備制度バランスシート規模縮小計画に記載したように、財務省証券とエージェンシー債、GSE保証付き住宅ローン担保証券(MBS)保有の削減を継続する。委員会はインフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしている。

  金融政策の適切なスタンスを見極める上で、委員会は今後の情報が経済見通しに与える意義を引き続き監視する。委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、委員会は必要に応じて金融政策スタンスを調整する用意がある。委員会は公衆衛生や労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待を示す各指標のほか、金融・国際情勢などを幅広く考慮して判断する。

  今回の金融政策措置に対し、パウエル議長とウィリアムズ副議長、バー連邦準備制度理事会(FRB)副議長、ボウマン理事、ブレイナードFRB副議長、ブラード総裁、コリンズ総裁、クック理事、ジョージ総裁、ジェファーソン理事、メスター総裁、ウォラー理事が賛成した。

引用:Bloombergより

このようにパウエル議長は述べ、改めてインフレに対して強い姿勢で臨んでいくことを示しました。

個人的にはサプライズなし

今回の発表については個人的にはそれほど大きなサプライズはなかったのかなという印象です。最近の強い消費者物価の数値や雇用環境を見る限り、金融政策を変更する理由というのはなかなか見つけづらいといった感じです。企業業績や不動産市場などを見ると明らかに減速傾向がみられますので、そういった期待感も株式市場には出ては来ていましたが、これだけ労働市場が強く、インフレがいまだ様る気配のない状況を見る限りなかなか難しいのだろうと思っていたところです。そして結局そのような結果となり、何も難しく考える必要はなかったということがわかりました。

今後は指標次第

今後の先行きに関してはいろいろといっていますがやはり今後の経済指標次第というところでしょう。発言を見る限りそろそろ利上げの終了も近いと思いますし、その可能性も示唆しています。しかし、実際の時期や数値に関してはまだ確定的なことは発言しておらず、これまで通り今後の指標次第といったところです。これは今までと何ら変わりません。なので今後についてもあまり決め打ちをせずに見守っていくのが正しいのでしょう。

まとめ

今日は11月のFOMCについてみていきました。基本的には事前の予想通りかなといった感じです。中にはいろんな予想をしていた人もいましたが、結局は当たり前の結果になったなという印象です。何も変に考える必要はないということです。ありのままを余計なことを考えずに見ていけばいいというだけです。なので今後についても引き続きインフレ抑制に邁進していくことでしょう。そしてそれがきちんと効果を発揮するまでその手を緩めることはないということです。その判断も今後の指標次第。本当に今まで通りという感じです。