金利上昇が見込まれるとき、個人投資家はどのようにすればいいのか

FRBが早期のテーパリング終了と来年の金利引き上げを発表して以来、株式市場では悲観的な予想が相次いでいます。もともと高いインフレにより来年は厳しいとの予想はありましたが、FRBのタカ派姿勢への変更によりそれがほぼ確定したように思えます。それでは実際に金利が引き上げられると株価はどうなるのでしょうか。この点については投資をしている人であればみんな心配しているのではないかと思います。それの答えとしてとてもいい記事がマネクリに掲載されていたので今日はその記事を紹介したいと思います。

金利の上昇は必ずしも株式にとってマイナスではない

その記事は12月21日にマネックス証券の投資情報サイト「マネクリ」に掲載されたものでタイトルは「米国株、金利が上がるとどうなる?インフレ局面で資産を守る3つのルール」というものでした。

米国株、金利が上がるとどうなる?インフレ局面で資産を守る3つのルール | 石原順の米国株トレンド5銘柄 | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

株価は金利上昇局面でも堅調に推移している?。インフレの環境下で資産を守るための投資ルールとは。金利の変動は株式の現在価値…

記事の内容としては金利と株価の関係について述べたもので、来年以降の投資姿勢についてアドバイスをしています。このなかで金利と株価の関係は以下の図のようにあらわされています。

引用:米国株、金利が上がるとどうなる?インフレ局面で資産を守る3つのルールより

この図によると、1950年以降金利が1%以上上昇した時に株価が上昇しなかったのはわずか2回しかなかったことが分かります。一般的に金利の上昇というのは株式にとってマイナスだといわれています。それについては間違いではないと思いますが、そんなに単純な話ではないということでしょう。この期間の平均リターンは10.5%で米国市場の長期平均リターンとほぼ一致しています。個別で見れば2倍以上に上昇している年もあるほどです。

慌てず狼狽えず、しっかり分散長期投資

しかし、来年以降の株式市場がこれまで通り上昇するとは限りません。金利の上昇についてはいい上昇と悪い上昇があり、そのどちらかによって対応は大きく違ってきます。経済成長を伴う好循環での金利上昇であれば株価全体にとっても大きな問題にはならないでしょうが、そうでなければ悪い金利上昇になる可能性があります。そして来年の金利上昇は悪い方ではないかと筆者は言っています。個人的にもその可能性は十分にあると思います。その中で投資家としてどのようなスタンスでいればいいのか。筆者のアドバイスとしては以下の3点です。

  • 「コスト上昇を転嫁できる企業」「物価上昇時に利益を得る企業」を見極める
  • ファンダメンタルズの強い企業を探す
  • 長期的に投資する

上二つについては、これから高インフレ、金利上昇と企業にとっては厳しい時代を迎えます。その時にきちんと稼げる企業に投資をしようということです。具体的に言えばコストを転嫁できる企業、物価上昇が利益につながる企業ということです。非常に高いシェアを持ち、価格決定権のある企業や、不況時でも売れる商品を生産している企業などがいいでしょう。逆に消費者に価格を転嫁できにくい商売をしているところや、景気に左右されやすい業種や企業というのは避けた方がいいのかもしれません。そして近視眼的になるのではなく、長期的なスタンスで投資するのがいいといっています。下図は過去148年間S&P500に投資した時のリスクの変化を表したものです。これによると、1か月の期間で見ると39%の確率で損をしてしまうが、期間を延ばせば伸ばすほどリスクは低下し、20年になるとリスクは0.1%になるといっています。このように長期間にわたり投資を続けていけば損をするリスクというのは限りなくゼロ日被けることができるのです。これは個人投資家にとっての最大の武器ですから利用しない手はないでしょう。

引用:米国株、金利が上がるとどうなる?インフレ局面で資産を守る3つのルールより

まとめ

今日は金利上昇に伴う株式市場への影響について考えてみました。金利上昇は株式にとってマイナスであることは間違いありません。しかし、金利が上昇したからといって必ず株価が下がるというほど単純な関係でもないのです。過去を検証すればこのような厳しい状況下であってもぶれずに投資をしていた方が結果的には資産を守れるということは証明されています。このことをしっかりと覚えておいた方がいいでしょう。個人的にはあまり何も考えずにインデックスに投資しておけばいいと思います。より良い成績を求めるのであれば金利上昇や不況下でもしっかり利益の出せる企業への投資へシフトするべきです。今までのようなハイテク株やグロース株だからというだけで投資をすると痛い目を見るでしょう。これからはより銘柄選別が重要になってくると思います。