続・株式投資以上に優れた投資法はない

インフレが進行している中、株式投資に対して不安を覚えている人も多いでしょう。しかし、株式はこのような時でも非常に優秀な投資先であることは歴史が証明しています。そして先日も株式投資以上に優れた投資方法はないというジェレミー・シーゲル教授の言葉を取り上げました。そして今日は株式投資に対する新たな援護射撃の言葉を得ることができたのでご紹介したいと思います。

インフレでも経済が順調であれば株式が優位

それは先日、The Financial Pointer®に掲載されたアリアンツ投資顧問のモハメド・エラリアン氏の言葉です。エラリアン氏はFRBの姿勢の変化を評価しつつもまだ足りないと不満を述べています。そしてその中で相対的には株式がまだまだ優位な投資先であると述べています。

強気相場の終わりが近づいているとは限らない。

現在、株式より有利な資産クラスはない。

特に経済成長が強いうちはそうだ。

引用:The Financial Pointer® 株式より有利な資産クラスはない:モハメド・エラリアン より

インフレはしばらくは高止まりが続きそうな予想が多くされています。エラリアン氏もそのように見ているようで、しかも経済が順調であれば株式の優位性は揺るがないとしています。確かにインフレになれば実物資産が有利になります。株式も一応インフレには有利な商品といわれているのでその考えは間違いではないでしょう。しかし、株式にもいろいろな種類があるので今までのようなすべてが順調にいくということはないと思います。エラリアン氏もすべての株式が上昇することはないといっており、銘柄選択の重要性を言っています。

今後の展開について

そして今後の展開について、エラリアン氏は以下の二つのストーリーを示しています。

  • ハッピーエンド: 供給側の混乱が鎮静化する。
  • バッドエンド: 政策の失敗でFRBが急ブレーキを踏む。

エラリアン氏は以前からFRBの姿勢について批判的でした。最近のタカ派転向の姿勢を評価しつつもまだ足りないといっています。そして今後についてもFRBの政策が間違えば上記のようなバットエンドを迎えてしまうといっているのです。この辺りについては個人的には何とも言えないところです。専門家の中にもFRBのタカ派転向を支持している人もいれば反対している人もいます。また、支持していてもエラリアン氏のようにまだ足りないと不満を言っている人もいますし、何とも言えない状況です。経済状況だけではなく、米国内の政治状況や国際政治を眺めていると、非常に不安要素がたくさん存在しているように思えます。特に最近の中国の動きなどは注意が必要です。そのため本当に将来どうなるのかはわからないといった感じです。

ボルカーショックが再び起こるのか

いずれにせよ、インフレがしばらく続くということは間違いと思われます。そしてそのかじ取りを間違えば大変な事態を招く可能性があるのです。よく最近のインフレの危険性を訴えるときに出てくる言葉としてボルカーショックというものがあります。これは1970年代に米国で起きた高インフレによるいわゆるスタグフレーションを終わらせるために行われた非常に強力な金融引き締め政策です。

ボルカーショック

第12代連邦準備制度理事会(FRB)議長ポール・ボルカー(Paul Adolph Volcker, Jr.)の、1970年代の米国におけるスタグフレーションを終わらせたるための1979年の新金融調節方式の採用による金融引き締め政策の断行に伴う景気後退のことで、高金利政策により、3年間でインフレ率は12パーセント以上も減少し、4パーセントを下回りスタグフレーションを終わらせることはできたが、それと引き換えにGDPは3パーセント以上減少し、産業稼働率は60パーセントに低下、失業率は11パーセントに跳ね上がった。1982年後半、3年続けた金融引き締め政策を断念し、緩和を実施し、これによって米国経済は活気を取り戻し、GDP・産業稼働率は向上し、失業率は低下した。

引用:投資用語集より

このように非常に強力な金融引き締めによって米国経済は大打撃を受けました。のちに米国は再び経済成長を果たすことになりますが、大きな代償を払うこととなったのです。この政策についてはいろいろ意見はあると思いますが、結果としてインフレを抑えたということには変わりありません。もちろん今のFRBがこのような強力な金融引き締めを行うとは思いませんが、最悪そのような事態も想定されるということです。その時はおそらく株式も大暴落し、資産が2分の1や3分の1になるということも十分に考えられます。最近の話だとリーマンショックの時は私の資産が半分以下になっていたと思います。その後はちゃんと回復しましたが、その当時は本当につらかった思いがあります。このような事態は何としても避けてほしいものです。

まとめ

今日は株式投資の優位性についての確認と今後のFRBの政策について考えてみました。株式投資がいついかなる時も有意であるということはないと思いますが、少なくとも現在の状況を見れば非常に有利な投資先であることは間違いないと思います。金利が上昇したところで1%程度ですから、債券が魅力的と考える人はあまりいないでしょう。今後のFRBの政策や政治・経済状況によっては予想外の事態も起こるかもしれませんが、よほどのことがない限りは株式への投資を淡々と行っていけば問題ないのだと思います。しかし、株価が大暴落を起こしてしまう可能性もゼロではありません。そんな時でも時間を味方につければ損をする可能性は限りなく低くすることができるでしょう。