岸田総理の所信表明演説を聞いたら全く希望が見いだせなくなった

12月6日の臨時国会では岸田総理が所信表明演説を行いました。これからの日本をどのようにしていくのか、日本のトップが語るわけですからみんなが注目していたと思います。もう一週間ほどたっているのでいろいろなところでの評価を目にしているとは思います。個人的にも非常に関心があったのですが、気になる点もありました。そういうわけで今日は先日行われた岸田総理の所信表明演説についてみていきたいと思います。

所信表明演説の概略

先日行われた所信表明演説については首相官邸のホームページに全文がアップされています。そこまで長いものではありませんし、難しい話ではないので是非一度見てもらいたいと思います。

首相官邸ホームページ

さて、内容についてですが簡単にまとめると以下の内容についての話でした。

  • コロナ対策
  • 新しい資本主義
  • 外交・安全保障
  • 災害対応
  • 憲法改正

コロナ対策

コロナ対策についてはまあ当然でしょう。今一番の関心事であり、重要なテーマですから一番最初に持ってきて当然だと思います。今後の感染対策や医療提供体制の強化、国産ワクチンや治療薬の開発支援などについて述べています。ここについてはあまり問題ないのではないかと思います。細かい手法についてはいろいろ意見はあるかと思いますが、コロナ対策の必要性はほぼすべての人が理解していると思われるからです。あくまで所信表明演説ですから大きな方向性を示して、後の細かいところは専門家などが決めていけばいいでしょう。

新しい資本主義って結局何なの?

新しい資本主義については正直よくわからないというのが私の感想です。一言でいうと共産主義にしたいのかなと感じてしまいました。とにかく分配重視で、稼いだものをみんなで分けようといってるみたいです。これは正に共産主義の考え方ではないでしょうか。自分で稼いだものを自分で使えないのであればだれも努力などしないでしょう。もちろん根こそぎ持っていこうということはないでしょうが、正直あまり印象はよくありません。そもそも日本は欧米に比べて格差は小さいはずです。最近は大きくなってきたとはいっても欧米などの諸外国よりははるかにましです。ですからまずやるべきは30年間も成長していないという異常事態を解消する方がまず先でしょう。分配がどうというのはそれからです。

今の環境問題は新自由主義のせいなのか

さらに気になったのは以下の言葉です。

 しかし、一九八〇年代以降、世界の主流となった、市場や競争に任せれば、全てがうまくいく、という新自由主義的な考えは、世界経済の成長の原動力となった反面、多くの弊害も生みました。市場に依存し過ぎたことで、格差や貧困が拡大し、また、自然に負荷をかけ過ぎたことで、気候変動問題が深刻化しました。

気候変動は新自由主義のせいなのでしょうか。気候変動は何も人間だけが関与しておこるものではありません。地球環境は人間が存在する以前から大きく変動し続けています。もちろん産業革命等の人間の活動が環境に大きな影響を与えた可能性について否定するつもりはありません。しかし、これまで人間が発展してきたものを根底から否定しているように聞こえてしまいます。ではどうすればよかったのでしょうか。素晴らしい技術や発明が目の前にあるのにそれを見逃して来ればよかったのでしょうか。そんなことができるはずがありません。人間は過ちを犯す生き物ですが、それを技術や変革によって解決することもできます。今までだってそうしてきたはずです。なのに、過去の人間が築いてきたものをただ否定するような発言というのは全く共感できませんでした。

改革の文字がまた消える

そしてやっぱりなのかと落胆したものがもう一つ、改革の文字がなくなりました。以前もさんざん批判されたときは申し訳程度に改革の文字が出てきましたが、今回の所信表明演説ではきれいさっぱりなくなりました。一応大学改革という言葉はあるのであるといえばあるのかもしれませんが、それだけです。今のあまりにも多すぎる規制を減らしていこうなどとは全く思ってもいないのでしょう。コロナのワクチンを作るにもいろいろ規制があって難しいという話はよく聞く話です。今一番熱い話題であるAIやドローンなども開発に当たり日本の厳しい規制はいつも大きな壁となって立ちはだかります。こんな状況では日本は世界から大きく後れを取ってしまいます。早く何とかしなければなりませんが岸田総理にはそんなことは全く興味がないようです。これでは成長など夢のまた夢です。

外交・安全保障については何も言ってないに等しい

外交・安全保障は今一番重要な問題の一つです。しかし、いっていることは何も新しいことはないように思えました。もちろんこの分野については言えないことが多いことは十分理解しています。なのでそう聞こえるだけかもしれませんが、それでも国民や世界に対して何らかのアピールは必要でしょう。そういうことは何も感じられません。特に今一番の問題は中国への対応です。台湾やチベット・ウイグルなどでの人権問題は世界的な問題となっています。しかし、そのことについての言及はありません。当然台湾やチベット・ウイグルという言葉もありませんでした。おそらく中国への配慮だと思います。このようなことでこれからの国際社会で日本は生きていけるのか非常に心配になります。北京オリンピックについても反応が非常に遅いと思います。中国と喧嘩しろとは言いませんがしっかりと言うべきことは言ってほしいものです。きちんと日本の姿勢を示したうえで外交をしてほしいと思いました。

全くやる気の感じられない憲法改正

最後に憲法改正の話が出てきますが、全くやる気が感じられません。文章自体も非常に短いです。しかも「議論を期待します」とか、「国民の理解が必要」とか完全に他人事です。あなたはどうしたいんですかと聞きたくなりました。これを見た時、岸田政権では憲法改正はまずないなと思いました。日本維新の会や国民民主党が議論に積極的なので、国会内での議論は始まる可能性は高いと思いますが、大して進むことはないでしょう。ましてや国民投票なんてまず無理です。

まとめ

今回は岸田総理の所信表明演説についてみていきました。あまり期待はしていませんでしたが、正直ここまでひどいものかと落胆しました。岸田政権の対応を見ているといつも思うんですが、本当に何も考えていないんだなと思います。何をやっても批判が起こればすぐ変更したり、意見を聞いても当たり障りのないことしか言わない。そんなことばかりな印象です。何か信念を持って発言や行動をしているとは思えません。自分は人の話を聞く人間だといいますが、これでは何も聞いていないのと同じです。聞いた話をきちんと咀嚼して、一番国益にかなう決断をしてもらいたいのです。これではただ聞こえてきた言葉を足して2で割ってるだけという感じです。これでは今後の成長も期待できないでしょう。全く規制改革などやる気がないのですからイノベーションなど起きるはずもありません。日本は世界からさらに大きく遅れそうです。投資家としては本当に日本という市場に魅力を感じなくなってきています。何とかしてほしいですが、岸田総理では無理でしょうね。バイデン大統領が岸田総理とあっていないというのもおそらくそういうことなのでしょう。なんとも暗い気持ちになってしまいます。次の参議院選挙が終われば国政選挙は3年間ありません。つまり長期政権がほぼ確実になり、やりたいことができるようになります。そうなったらなにをやるのでしょう?おそらく金融所得課税は真っ先に出てくるはずです。