個人投資家にとっての最大の武器とはなにか

昨日はボーグルヘッズの投資哲学について述べてきました。投資家にとって重要なものですが、それを簡単に実践する方法として定期的な積立投資があります。これは毎月決まった額のお金を投資していく方法です。非常に簡単で時間もかからず、だれでもできる投資方法です。とてもおすすめな投資方法ですが実際に積立投資をしたらどのような結果が出るのでしょう。ちょうど楽天の「トウシル」に「20~30代×積立投資」が最強な理由。将来が今すぐ分かる簡単シミュレーション」という記事が掲載されていたので、それをもとにシミュレーションしてみたいと思います。

トウシル 楽天証券の投資情報メディア

 ステイホームが続いた2020年から最近にかけて、20~30代の若い世代で資産形成を目的に投資を始める人が増えています。…

積立投資とは

積立投資とは、毎月決まった額のお金を積み立てていく投資方法です。今日の市場はどうなったとか、資金が溜まったから株を買ってみようかなど、余計なことを考えずに行えるので、初心者をはじめ誰にでもお勧めできる投資方法です。多くの場合、投資信託やETFなど個別銘柄ではなく、株価指数などを対象とした投資商品で行うことが多いです。そうすることでより大きな分散効果を得ることができます。

時間という武器

なぜ積立投資を進めるのかというと、「時間」という強力な武器を最大限利用できる投資方法だからです。1年や2年で資産を倍に増やそうと思えば相当なリスクを取らなければならず、ほとんどの場合失敗することになるでしょう。しかし、20年、30年という長い期間で考えれば、資産を倍に増やすというのはそう難しいことではありません。あとでシミュレーションしてみますが、全く不可能ではないのです。機関投資家などは四半期ごとや1年ごとなど短い期間で結果を出さないといけないので、この「時間」という武器は使えません。しかし、個人投資家には「時間」は非常にたくさんあります。20歳から60歳までと考えても40年もの時間があります。これだけの時間があれば相当の資産を形成できるはずです。我々個人投資家はこれを利用しない手はありません。

実際に計算してみる

それでは早速、実際にどの程度の資産になるのか計算してみましょう。「 積立かんたんシミュレーション 」という便利なものが楽天証券にあります。今回はこれを使って計算してみたいと思います。今回は期間は20年と30年で計算してみました。

楽天証券

目標金額から、毎月の積立金額をシミュレーションしてみませんか?目標金額を達成するために、月々いくらの積立が必要なのか、す…

期間20年

  • 毎月2万円 利回り0% 480万円
  • 毎月2万円 利回り1% 531万円
  • 毎月2万円 利回り2% 590万円
  • 毎月2万円 利回り3% 657万円
  • 毎月2万円 利回り4% 734万円
  • 毎月2万円 利回り5% 822万円
  • 毎月4万円 利回り0% 960万円
  • 毎月4万円 利回り1% 1062万円
  • 毎月4万円 利回り2% 1179万円
  • 毎月4万円 利回り3% 1313万円
  • 毎月4万円 利回り4% 1467万円
  • 毎月4万円 利回り5% 1644万円

期間30年

  • 毎月2万円 利回り0% 720万円
  • 毎月2万円 利回り1% 839万円
  • 毎月2万円 利回り2% 985万円
  • 毎月2万円 利回り3% 1165万円
  • 毎月2万円 利回り4% 1388万円
  • 毎月2万円 利回り5% 1665万円
  • 毎月4万円 利回り0% 1440万円
  • 毎月4万円 利回り1% 1679万円
  • 毎月4万円 利回り2% 1971万円
  • 毎月4万円 利回り3% 2331万円
  • 毎月4万円 利回り4% 2776万円
  • 毎月4万円 利回り5% 3329万円

結果は御覧の通りとなります。たった1%の違いでも数十万、数百万円の違いが出ています。しかも同じ積立金額、利回りであっても10年期間が延びるだけでとても大きな効果があることがよくわかると思います。例えば毎月2万円で3%の利回りだったとすると、20年で657万円、30年で1165万円と約500万円もの違いになります。500万円はさすがに馬鹿にできない金額です。投資を始める時期が10年早いだけで同じことをやっているのにこのような結果になるのです。いかに時間というものが大切かわかると思います。

実際の利回りはどのくらいが期待できるのか

シミュレーションでは0%から5%までの値で計算してみました。そこでこんな風に思った方もいるかもしれません。

「30年間も3%や5%なんて利回りを維持できるのか」

当然な疑問です。毎月の積立についてはおそらく問題ないと思いますが、しっかりと利回りを維持できなければ、思ったような効果は得られません。しかし、シミュレーションで用いた値というのは夢のような数字ではなく、問題なく達成できる値です。たとえばGPIFという組織は御存じだと思います。日本の公的年金の管理・運用をしている組織です。ときどき何兆円損したとか得したなどニュースにもなっているので聞いたことがある人も多いでしょう。そのGPIFの2001年度から2018年度までの過去18年間の運用実績(名目運用利回り)は、年率2.7%となっています。GPIFは非常に大きな運用額なうえに、年金という非常に安全性を求められる資金を扱っているので、債券など比較的低利回りの低く安全性の高い商品で多くの運用を行っています。それでも3%近い利回りを出しているのです。米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)というファンドはは約7%近い利回りがあります。これらを組み合わせれば十分に5%という利回りは狙えるのです。

個人投資家にはNISAとiDecoという武器もある

さらに最近はNISAとiDecoという税制面でも非常に有利な制度があり、積立投資を行なうにはとても良い条件が揃っています。NISAは毎年40万円が非課税になります。毎月3万3333円ほどが非課税ということです。iDecoは人によって条件は違いますが、最大月額6万8千円の税制優遇を受けられます。そしてNISAとiDecoの税制優遇枠を最大限利用し、30年間5%で運用すると8,433万円にもなります。これだけあれば老後資金としては十分でしょう。通常であればここから税金が引かれますが、NISAとiDecoについては非課税です。こんな素晴らしい制度は利用しない手はありません。

まとめ

今日は積立投資を用いた投資方法についてみてきました。非常に簡単で誰にでもできる投資方法なので、初心者にもおすすめできる投資方法です。最近は若い人の中に投資に関心を持っている人が多いようです。給料が上がらない、将来が不安などあまりいいきっかけということもないかもしれませんが、投資に関心を持っている若い人が多くなっているというのは非常に喜ばしいニュースです。教育の現場でも金融リテラシーの勉強も増えているようですし、ネットなどの影響もあるのでしょう。そういう若い人には特に時間の大切さを認識して、着実な資産形成をしてもらいたいものです。もし、何をいたらいいのかわからないという人がいれば「セゾン投信」が販売している「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」というものがおすすめです。昨日もブログに書きましたが私も利用していますので自身を持っておすすめできます。投資に時間を取られたくないとか、投資のことはよくわからないという人に特におすすめです。ご興味のある方は下記リンクより詳細を確認していただければと思います。

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