ウクライナ情勢下における有望な投資先について

ウクライナ情勢は日々変化しています。今後どのような決着を見るのかまだわかりませんが、しばらくは戦争状態は続き、仮に終わったとしても通常の状態に戻るにはかなりの時間が必要でしょう。なので戦時であるという認識を常に持って投資にも望まなければいけないわけです。そのような状況ではどのような物に投資すればいいのか、その判断はなかなか難しいような気がします。なので今日は戦時下における有望銘柄について見ていきたいと思います。

戦時に投資するべき分野

デービッド・ローゼンバーグ氏は現在のような地政学リスクが高まったときの投資セクターとして有望なものについて論じている。

  • 防衛
  • 食料・農産物・肥料
  • 製造の国内回帰

引用:The Financial Pointer より

防衛については当然でしょう。これだけ安全保障環境が変わるのですから、この分野への関心が高くなるのは当然のことです。また、食料などのが影響を受けるということもよく言われていることです。特に今回の戦争当事国であるロシアとウクライナは世界的な食糧輸出国として知られています。すでにロシアやウクライナに多くの食料を依存していた国では異常な価格高騰や、在庫の減少など危機的な状況に見舞われています。日本については当該国より多くの食料を輸入していないと思いますので直接的な影響はないと思われます。しかし、限られた食料を世界で奪い合う事態に陥りますので価格は高騰し、物資も足りなくなる可能性も十分にあるでしょう。すでにこのような状態になっているのですから、戦争が長期化し、事態の収束に時間がかかればかかるほど影響は深刻になってくるものと思われます。そういう意味でも食料や農産物の分野というのは戦時下における投資先として非常に有望なものとなります。

経済安全保障関連が重要

製造業の国内回帰については今後も非常に大きな問題になってくると思われます。現在、あらゆるものがグローバルな世界を前提に出来上がっています。車や電化製品や衣類や食料など様々なものが、世界中を回って最終製品として出来上がるようになっているのです。そのため戦争のような事態が起こり、経済制裁をかけたりすると思わぬ商品に影響が出るということが起こるのです。今回の事態でも、ロシアに制裁をかけたことにより一部レアアースの価格が高騰しています。当然レアアースがなければそれを使って生産する精密機器は作れなくなります。一見ロシアとは関係なさそうなものさえ作れなくなる危険性があるのです。そういう意味でも経済安全保障の観点からモノづくりの過程を見直さなければならなくなっているのです。特にこの観点は、ウクライナ危機が起きる前から言われていました。それは米中の摩擦によるものです。中国はすでに世界経済を考えるうえで無視できなくなっています。なのでもし中国にロシアにやったような経済制裁を加えたとすると、とてつもない影響が世界中に起こることになるでしょう。そして、中国の統治体制を考えた時、西側の自由主義の国にとってはそのリスクを覚悟してでも制裁を加えなければならない時が来るかもしれません。そうなったときに今のように中国に大きく依存している状態ではなかなか制裁に踏み切れないでしょうし、返り血が大きくなってしまいます。そういう意味でも現在のグローバルな経済というのは少し見直しが必要ではないかという機運が高まっているのです。そのなかの一つが製造業の国内回帰というわけです。そういう意味では今後はグローバリゼーションの見直しという分野が注目されていくのではないのでしょうか。

まとめ

今日はウクライナ情勢を受けての有望な投資先について考えてみました。防衛産業はまあ当然といったところでしょう。食料については今回の当事国が世界的な食糧輸出国だったということで非常に注目されています。特に食糧安全保障についても以前から注目されていたところですし、改めて意識されるようになっているということでしょう。製造業の国内回帰についても早急に取り掛かるべきものでしょう。特に中国を意識して、以前からこのような動きは出てきていました。米国ほどの国では自国で完結させようと思えばできるかもしれませんが、それでもかなり難しいのではないかと思います。なので国内回帰というよりは自由主義国経済圏への回帰といった方がいいのかもしれません。このような動きはウクライナ情勢が終息したとしても、中国のような国が依然として力を持っているうちは続いていくでしょう。そういう意味ではこの分野への投資というのは非常に有望であろうと思います。