金利上昇よりもバランスシートの縮小の方が重要

米国株式市場はFRBの金融引き締めの姿勢が鮮明になって以来、軟調な展開が続いています。特に1月5日に公聴会でパウエル議長がバランスシートの縮小に言及したことで大きく株価が下落しました。金利の上昇はある程度織り込み済みでしたが、バランスシートの縮小というのは市場にとってはサプライズだったようです。なぜこのようなことが起こったのでしょうか。それについてマネクリに非常にわかりやすい記事が載っていたので今日はそれを見ていきたいと思います。

FRB、資産圧縮早期化の可能性:影響は金利上昇以上に大きく今後の動向を注視 | 金融テーマ解説 | マネクリ マネックス証券のお金と投資のオウンドメディア

今年の金融市場は、年初からFRBの動向に敏感に反応している。米国の10年物国債利回りは、一時、昨年3月につけた最高水準で…

金利の上昇は意外と影響は少ない?

その記事は1月14日にマネクリに掲載されたもので、バランスシートの縮小と金利の上昇について書かれたものです。その記事によると、金利の上昇というのは思っているほど経済に大きな影響を与えないのではないかというものです。というのも、現在の米国は以前のような大規模な投資をする産業というのは減ってきているからです。そのようなモノづくりの産業というのはすでに海外に移ってしまっており、代わりに情報サービス産業が中心になっているので問題はないだろうというのです。確かに今はGAFAと呼ばれるIT企業などが米国の成長を支えていることは周知の事実です。それを考えると確かに金利の上昇というのは以前に比べれば大きな影響はないかもしれません。しかし、全く影響がないということは当然ありませんから、金利の動向にも注意は必要です。

バランスシートの縮小は結果として大きな影響を与える

それよりもFRBのバランスシートの縮小の方が影響が大きいというのはどういう意味でしょうか。FRBがこれまでため込んできた資産を縮小したとしても直接我々の生活には大きな影響はないでしょう。しかし、FRBのバランスシートが縮小すればそれは銀行のバランスシート縮小にもつながり、その結果市中に出回る資金の量が減少していくのです。そうなれば実体経済にも大きな影響があるでしょう。新型コロナウィルスパンデミックの影響により各国中央銀行が大量の資金を市場に供給し続けてきました。その結果として株価が堅調に推移してきたことは事実です。その株価を維持していた後ろ盾を失うのですから当然株価にも大きな影響があると考えるのは当然だろうと思います。だからこそ、1月5日のパウエル議長の発言を受けて市場は大きく反応したのです。

金利とバランスシートという二つの武器でインフレと戦うFRB

金利の動向には注意していましたが、バランスシートの影響については正直あまり考えてきませんでした。しかし、言われてみれば確かにそのとおりであり、非常に重要な発表があったのだと思います。どのくらいの規模で資産の縮小をするのか、細かいことはまだわかりませんが、FRBがインフレ抑制に本気だということはよく伝わったと思います。金利とバランスシート、この二つの武器を使って今年はインフレと戦っていくという強い意思表示です。FRBには今年、インフレの抑制と経済成長の両立という非常に難しい仕事を課せられています。なので金利とバランスシートの両方をうまく使い、調整していくと思われます。今後はFRBの利上げの動向とともに、バランスシートの状況についても注意が必要でしょう。

まとめ

今日はFRBの金融政策についてみてきました。今年は金利の動向だけではなく、バランスシートの状況についてもしっかり見ていく必要があるでしょう。ただ、細かい手法はともかく、目的としてはインフレの抑制なので消費者物価の行方を見ていた方が分かりやすいのかなとも思います。いずれにせよ米国のインフレとそれに伴うFRBの金融政策というのは今年最も重要なテーマなので、その見方というのはいろいろ知っていて損はないと思いました。