分散投資は毎日やるべきか、それとも毎月でいいのか

投資をするうえで、分散ということは非常に重要な概念です。分散することによりリスクを減らし、より安全に投資を行うことができます。分散にはいろいろな種類があり、時間を分散する、投資対象を分散するなどがあります。また、投資対象は投資する国を分散する、投資セクターを分散させるなどさらに細かく分散させていくことも重要です。時間分散についてはより細かく分散させればよりリスクは低下させられそうですが、どのくらい分散させればいいのでしょうか。この辺りは非常に多くの人が悩むところだと思います。そこで今日は時間を分散させるにはどのようにしたらいいかについて考えていきます。

時間分散の種類

時間を分散させるにはどのようにしたらいいのか。最近の証券会社では投信積立などで自動で積立期間を設定できます。大抵の証券会社では「毎日」、「毎週」、「毎月」のいづれかで設定が可能となっていることが多いです。さすがに「毎時」、や「毎分」などは見たことがないので排除していいでしょう。3か月や半年といった期間になるとどうなるのかということも気になりますが、設定できる証券会社を見たことがないのでこちらも今回は扱いません。現実的には「毎日」、「毎週」、「毎月」の3種類の選択肢があるということになります。

結論は毎月で十分

結論から言うと、時間分散はあまり細かくやる必要はないです。できるだけ細かく分散させた方がよりリスクを低減できそうですが、あまり細かくしたところであまり効果は上がらないようです。なので、個人的には分散は「毎月」で十分だと思います。もちろん細かくしても悪くなるわけではありません。極限までリスクを低減し、利益を伸ばそうというのならそれもありです。

調和平均という謎

ではなぜ「毎月」で十分分散効果が得られるかというと、「調和平均」という言葉で説明がつくそうです。正直私には難しくて理解できませんが、理屈は下記のようになります。

「調和平均」とは、いわゆる「平均」の一種で、往復の平均速度などを算出する際に用います。一般的な「平均(算術平均)」が、対象となるデータ値を足してデータ数で割るのに対し、調和平均は、対象となるデータの逆数を足してデータ数で割り、さらにその逆数を取るという方法で算出されます。 投資信託の基準価額は、「1万口あたりの評価額」なので、平均買付単価を求める際は算術平均ではなく、この調和平均を使います。 実は、調和平均には、算術平均よりも値が小さくなるという特徴があるほか、データ数が多くても、そのデータ群の散らばり度合いによっては、一定の値に収束するという性質があります。投資信託の基準価額は不規則に変動するため、購入回数を増やしても、平均買付単価にさほど影響が表れないのです。

引用:トウシル 「毎月積み立て」と「毎日積み立て」はどちらを選んだ方がよいでしょうか?より 

統計学などを勉強された方ならわかるのかもしれませんが、正直よくわかりません。投信の基準価格には普通に足してその数で割るという一般的な平均ではなく、この調和平均という方法で算出されるというところはわかります。しかし、そのあとがよくわかりませんが、とにかく購入回数を増やしたところで平均買付単価には影響されないということらしいです。この記事以外にも調べてはみましたが、正直調和平均についてはわかりません。

実際のデータで比較

細かい理屈は正直どうでもいいので、実際のデータを見てみましょう。我々投資家に必要なのは細かい理屈ではなく結果です。というわけで、2011年1月から2020年12月末までの期間において毎月積み立てた場合と毎日積み立てた場合の比較が以下の表になります。

これを見ると毎日積み立てた方がパフォーマンスは良くなりますが、その差はたったの147円です。10年間で147円ですからこれはもう誤差の範囲でしょう。このくらいでしたらわざわざ毎日やる必要性も感じないのではないでしょうか。もちろん、やりたければ極限まで細かく分散させるのも自由です。

まとめ

今日は積み立て投資の時間分散について考えてみました。毎日やった方が分散効果はありそうですが、毎月と比較してもさほど結果は変わらないというのは結構意外な感じがします。クレジットカードでの積み立てなどは毎月でないとできないので、この方法を使えば結局は毎月の積立の方が利回りは良くなる可能性も多いのではないかと思います。いづれにせよ、長期間における積立間隔を考えた場合、「毎日」だろうと「毎月」だろうとあまり関係ないので、好きな方で行えばいいということですね。