インフレとの戦いがこのまま順調に行くかはわからない

長く続いてきたインフレとの戦いも収束への道筋がかなり鮮明になってきたのかなという印象があります。インフレも確実に落ち着きを見せ始めており、経済もそれほど悪化していないことを考えれば非常に良好なインフレ対応をできたと言っていいのかなという感じがします。もちろんまだまだ勝利宣言には早いですが、なんとかこのまま無事にインフレ収束まで言ってほしいものです。

インフレとの戦いは予想以上に順調

昨日はアトランタ連銀のボスティック総裁が現状について以下のように述べていました。

米アトランタ連銀のボスティック総裁は、米国のインフレ率は自身が予想していたよりも低下し、金融当局の目標である2%への道筋が見えてきたとの見解を示した。ただ、勝利宣言には時期尚早だとしている。

  ボスティック総裁は8日、アトランタのロータリークラブでの講演で「われわれは現在、2%に向けた道を進んでいる」と発言。「目標はその道を外さずにいることだ」と述べた。

  総裁は、失業率が多くのエコノミストの予想を下回って推移し、賃金上昇率がインフレ率を上回っていることで消費者の購買力が高まっている傾向は今後も続くとみている。

  「われわれは非常に強いポジションにいる」とした上で、政策立案者は景気抑制的な金融政策を継続させることが可能だと付け加えた。

引用:bloombergより

このようにボスティック総裁は現在のインフレ対策に好感触を抱いているようです。実際、これまでのインフレとの戦いは十分によくやったと評価していいのではないかと思います。当初は8%を超えるインフレが続き、このまま米国はどうなってしまうのかとかなり心配になっていた気がします。特にリセッションリスクについてもかなりの確率で起こるだろうと予想されていたために、ここまで順調な推移というのは予想できた人はかなり少ないのではないかと思います。そういう意味ではパウエル議長を始め、FRBはかなり良い仕事をしたと評価していいのでしょう。今後についてはまだまだ厳しい状況が続くとは思いますが、特別大きなアクシデントが起こらなければ、そこまで悲観されるような未来というのは来ないのだろうと思います。

予想は外れるもの

FRB内部からここまで明るい言葉が出てくるようになったということで非常に感慨深い気がします。一年前の状況を思い起こせば、とてもではないけれどこんな未来が待っていたとは思えませんでした。高確率で米国はリセッションに陥ると多くの予想が発表され、非常に憂鬱な新年を迎えていた記憶があります。そういう意味では一年でここまで来れたことに本当に良かったなと感じているところです。しかし、今後についてはまだまだ楽観はできないと言っていいでしょう。ボスティック総裁の言うとおり、今のところは非常に順調であると言っていいでしょう。このまま行けば今年中にはかなり経済は良好な状態になるか、その見通しがかなり明確になるのかなという印象です。しかし、今年は大統領選挙を控えていたり、海外でもいろいろな波乱要因が多く存在し、なんとも言えないというのが現実でしょう。去年はあまりにも悲観的な予想が大きく好転ましたが、それが全く真逆になる可能性も十分になることもあるのだろうと思います。今の所、金融緩和予想もあり、かなりマーケットは良好に推移するような気がします。しかし、いつも言うことですが、予想はあくまで予想であり、実際どうなるかはわからないのです。来年の今頃は非常に暗い顔をしてマーケットの状況を見守っている可能性もあり得るのでしょう。そのあたりはきちんとわきまえておいたほうがいいのでしょう。

まとめ

きょうはインフレの現状と今後について考えてきました。インフレとの戦いは予想以上に順調に言っていると言っていいでしょう。しかし、今後についてはどうなるかはまだわかりません。予想以上に好転する可能性もあるし、予想外に悪化する可能性も十分にあることを覚えておきたいところです。今年は年はじめからいろいろなことが起こっており、かなり心配になるところですが、年末に色々あったけど良い一年だったと言えるようにしたいものです。