新規失業保険申請件数は低水準を維持。雇用は安定しており、緩和期待はまたもや後退。

米国の労働市場は未だ健在です。昨日発表された先週一週間での新規失業保険申請件数は市場予想を大きく下回る結果となり、雇用が今もなお底堅く推移していることが確認されました。雇用が安定しているというで米国経済は大きく落ち込むことはないでしょう。反面、金融政策については急いで緩和する必要性もないということで、早期の緩和期待というのは今回も裏切られた形となっています。

新規失業保険申請件数は大きく減少

昨日発表された先週一週間での新規失業保険申請件数は市場予想を大きく下回る結果となりました。

先週の米新規失業保険申請件数は予想外に減少し、過去1年余りで最も低い水準となった。労働市場が底堅い状況で今年をスタートしたことが示された。

  失業保険申請件数は季節調整前ベースでは3万人近く減少して28万9228件。州別ではニューヨークでおよそ1万7000件減と、減少幅の半分以上を占めた。ミシガンやウィスコンシンでも減少した。

  失業保険の継続受給者数は1月6日終了週に3週連続で減少し180万6000人と、昨年10月以来の低水準となった。

  週間の失業保険統計は特に祝日前後に変動が大きくなりやすい。変動のより少ない失業保険申請件数の4週移動平均は20万3250件と、11カ月ぶりの低水準。

  米雇用市場は金利高騰にもかかわらず、過去1年にわたりエコノミストの予想に反して堅調を維持し、失業率の抑制に寄与してきた。

引用:bloombergより

このように米国の労働市場は今も堅調に推移しています。これまで金利が急激に引き上げられるなど、インフレ対応のために労働市場にとっては非常に厳しい状況が続いてきていますが、それでも雇用は堅調に推移し続けています。理由については正直良くわかってはいませんが、なんにしても経済にとっては善いサプライズだったといっていいでしょう。その雇用もまだまだ健在であり、おそらくはよほどのことがない限りこの底堅い雇用は守られるのではないかという感じです。それだけ現在の労働市場は強いと言っていいでしょう。

緩和期待はまたもや裏切られる

相変わらずの強さを見せつける米国の労働市場といった感じです。雇用の強さはそのまま消費など経済へと大きな影響を与えるため、とりあえずは喜ばしいと言っていいのだと思います。少なくとも以前から気にされていたリセッション懸念というのはもう考えなくていいのかなという感じです。これだけ雇用が安定していながらリセッションというのはなかなか考えられないことです。ただ、雇用が強いというのであれば、インフレはそう簡単には鈍化していくことはないでしょう。消費も今なお強さを残していますし、雇用が安定しているのであれば消費もそこまで落ち込むとは考えにくいです。雇用が安定しつつ、インフレが依然として強いということであれば、金融政策も厳しく維持されるのが当然なのかなという感じです。市場では早期の緩和期待や多くの利下げを期待していたようですが、今回もその期待を裏切るようなものとなったような気がします。

まとめ

今日は新規失業保険申請件数について見てきました。米国の労働市場は依然として堅調です。そのため、インフレがしばらく強く維持されると思われ、金融政策も現状を維持されるものと思われます。早期の緩和期待はかなり後退したのかなという感じがします。