いかに為替が動こうとも大丈夫なように準備をしておくことが大事

現在、為替市場では非常に円安が進んでいます。これは日米の金利差によるところが大きく、緩和を続ける日本とインフレ抑制のために引き締めを続ける米国という構図から考えれば当然の結果とも言えます。ただ、永遠にこの流れが続くということはありません。米国では流石にこれ以上金利を上げ続けるというのは厳しくなってきており、すぐに緩和するとは行かなくとも金利をどんどん引き上げるという状況ではなくなってきています。対して日本でも異次元の緩和政策がそろそろ修正されるのではないかという観測も根強く、その動きが少し見えただけでも為替が大きく反応することになるでしょう。

ドル円はレートは円高へ進むのか?

先日、ドル円レートについて、そろそろ円安の流れが終わるのではないかというような記事が出ていました。

円は対ドルで急激に持ち直す見通しだと、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の欧州グローバルマーケッツ・リサーチ責任者、デレク・ハルペニー氏は指摘。日本銀行が7月の政策会合でイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の調整に動く可能性が高いとの見方を示した。

  1ドル=143円でドルのショートを開始し、目標を138円、ストップロスは146円60銭に設定するようリポートで勧めた。

  「7月28日の日銀政策会合に近づくにつれて、YCC変更の観測が強まると想定している」と同氏は記述。「YCC変更の観測は今週始まったかもしれないが、まだ弱いため、円を支える方向に観測がシフトする余地はある」と続けた。

  日銀が今月の次回会合でYCCを調整する可能性が高いとの見方から、ドル・円相場は9月末時点で136円になると、同氏はみている。

引用:bloombergより

このように三菱UFJでは日銀の政策変更が近く行われ、ドル円が円高に動く可能性が高いと見ているようです。ご存知の通り、日銀は現在YCCという政策目標を維持しており、その変更についてはまだ行う時期ではないとしています。植田総裁が就任した際にはすぐにでもその変更が行われるのではないかという観測が出ていましたが、それはすぐに修正されることとなりました。しかし、その後もその期待というのはマーケットに常に溢れており、いつ緩和政策が修正されるのであろうという話題には事欠かないといった状況です。今回の記事もその一環という感じがあり、緩和修正に対する期待が大きく現れていると言っていいような気がします。

何が起きてもいいように準備しておくことが大切

実際日銀がいつ政策を修正するのかというのはわかりません。そのことに対する意見というのはそれぞれあることでしょう。しかし、投資家として重要なのは憶測や期待で動くのではなく、すべての可能性を考えて準備をしておくということです。記事にある通り、いつか現在の緩和政策は終わりを迎えることでしょう。そして円が今よりも数段高いレートへと向かうことも十分に考えられます。それを期待したり批判したりすることは簡単ですが、我々投資家はどんなことがあっても自分の資産を守るということが最重要任務であるということを忘れてはいけません。なので、円安に動こうが円高になろうが最低限守るべきものは守り、資産を最大化することを常に考えたいものです。特に今はドル円レートに関する期待を込めた発信というものが非常に多くなっています。なので変な期待や憶測で投資している人もいるかもしれませんが、それは大変危険です。もしそのようなことをしているようであれば大やけどをする前に修正するべきでしょう。いつどんなときでも冷静に状況を判断し、行動できる人こそが投資で勝つことができると思います。

まとめ

今日は今後のドル円レートについて考えてきました。正直、未来の為替がどうなるかなんてわかりませんし、わかる必要もありません。何度も言いますが、すべての可能性を考え資産を守るということが投資における目的であり、ギャンブルをすることではないということは常に頭に入れておくべきでしょう。甘い誘惑やおかしな憶測に耳を傾けるというようなことはしないようにしましょう。