23年末には利下げが開始される?

今後の金融政策について、どのような変化になるかというのはだれにもわかりません。今もいろんな予想が出ては来ていますが、何が正しいのかというのはいずれ歴史が証明することになるでしょう。我々ができることはただ一つ、あらゆることを想定し、準備をしておくということです。そういう意味ではいろいろな意見に耳を傾けるということは非常に大切だと思います。というわけで今日はその未来予想の一つについてみていきたいと思います。

23年末にはようやく引き締めが終了する?

米金融大手のモルガンスタンレーは今後の金融政策について以下のような予想をしています。

米連邦準備制度は2023年12月に利下げを開始した後、バランスシートの圧縮を24年に停止するとモルガン・スタンレーのアナリストらは予想している。

  いわゆる量的引き締め(QT)は「米経済がリセッション(景気後退)入りし金融当局が1ポイント以上の大幅利下げを検討するようになれば」さらに早期に終了する可能性もあると、チーフエコノミストのセス・カーペンター氏らは顧客向けのリポートで分析。

  「同様に、もし市場が20年3月の状況や最近の英国債市場の出来事のように機能不全に陥れば、少なくとも一時的にQTを打ち切ると思う」との見方も示した。

  米金融当局は先週、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の保有削減を計画通り続けると表明。これは年1兆1000億ドル(約161兆円)規模のペースとなる。

  当局は6月にバランスシート圧縮を開始し、9月に加速させた。現在は600億ドルの米国債と最大350億ドルのMBSを毎月バランスシートから減らす方針。

  「当局はバランスシートを大幅に縮小しようとしているが、19年9月のようなレポ市場の逼迫(ひっぱく)は避ける計画だ」とモルガン・スタンレーのアナリストらは指摘した。

引用:Bloombergより

このように、金融引き締めは来年いっぱい続き、年末あたりから緩和を開始していくとみているようです。多くの予想では来年の米国はかなりの低成長とみられています。そういう意味では早くから金融緩和での景気刺激策を期待されそうですが、そこまで早期から緩和ということにはならないようです。やはりそれだけインフレが残り続けるということなのでしょう。そしてインフレも年末くらいにはある程度収束の見込みがついてきて、今度は経済への注力ができるようになるということのようです。

あくまで予想

もちろんこれは今のところの予想であり、必ずそうなるという保証はありません。中間選挙や政治の問題やウクライナ情勢や中国の失速など外交問題等、経済に与える影響というのはいくらでも存在します。イギリスの例にもある通り何かしらのきっかけで金融市場が大きく動く可能性もあり、どうなるかというのはまだまだ未知数です。この例というのは今のところ高い可能性で起こりそうなことを並べていくとこうなるということです。なのでそうならない可能性も十分にあり得るため、注意は必要だということです。

株式市場はしばらく軟調になりそう

いずれにせよ、株式市場にとってはしばらくつらい展開になりそうだということには変わりがないという感じです。米国が成長しないというのであれば世界経済に与える影響というのは甚大なものとなります。そういう意味では来年いっぱいはやはり株価の上昇というのはあまり望めないのかなといった印象です。この予想が外れることを望みたいところですが、かなり厳しいのかなと思います。むしろ悪い方へ外れることの方がありそうなくらいです。

まとめ

今日は今後の金融政策についての予想の一つについて紹介しました。何度も言いますがあくまで予想の一つであり、このようになると断言しているわけではありません。全く正反対の予想もあることは事実ですし、どうなるかというのは神のみぞ知るといったところです。ただ、株式市場にとってはしばらくは厳しい状況が続くとみておいた方がいいでしょう。短期的にはあまり大きな上昇が見込めないと思います。しかし、長期的な視点で見ればいい仕込み時ともいえるので、あまり悲観的になることはないのかなという印象です。