1月の消費者マインドは大幅に改善。ソフトランディングへと順調へと進んでいる。

インフレの鈍化と政策金利の利下げ期待により消費者の心理にも大きな変化が起きてきているようです。1月のミシガン大学消費者調査によると、消費者マインドは大きく改善してきており、今後のインフレ期待も大きく低下していることが確認されました。インフレの鈍化と長らく続いてきた高金利にようやく終わりが見え始めたということで、消費者の気持ちも大きく明るいものとなっているようです。

消費者マインドは大幅に改善

昨日発表された1月のミシガン大学消費者調査によると、米国民のマインドが大幅に改善していることが確認されました。

1月の米ミシガン大学消費者調査(速報値)では、マインド指数が大きく上昇し、2021年以来の高水準。市場予想も大幅に上回った。1年先のインフレ期待は3年ぶりの低水準となった。

  ミシガン大の消費者調査ディレクター、ジョアン・シュー氏は発表文で「経済のさまざまな面に関して消費者が明るい見方を強めている。これは、ソフトランディングに対する確信を強めていることを示唆している」と指摘。

  また「インフレ期待の改善は、耐久財と自動車の双方の購買環境において価格圧力が緩和しているという認識に支えられている」とし、消費者は米金融当局が年内に利下げを実施するとの見方を強めていると付け加えた。

  その上で、そうした状況は「近い将来にインフレが加速することはないという認識と整合している」と記した。

  今回の調査では年齢や所得、支持政党などに関係なく改善が見られ、消費者の間で幅広く楽観が強まっていることが示された。少なくともインフレと同ペースで所得が伸びると予想した家庭は半数余りに上り、全体における割合としては2021年半ば以来最大となった。

  株式市場に対しては、ここ2年余りで最も明るい見通しが示された。

  現在の家計に関する認識は2年ぶり高水準。将来については2021年以来の高い水準となった。耐久財の購買環境に関する指数はほぼ3年ぶりの高水準。

  現況指数は10ポイント上昇して83.3。期待指数は75.9に上げた。両指数とも、2021年以来の高水準。

  シュー氏は「消費者のセンチメントは2022年6月に記録した過去最低から60%近く改善してきており、経済を勢いづかせそうだ」と指摘した。

引用:bloombergより

このように米国の消費者のマインドはここへ来て大幅に改善していることが確認されました。コロナ収束と共にインフレと高金利に悩まされてきた米国民ですが、それにもようやく終わりが近づいてきたと感じることができたために、大幅に心理は改善してきているようです。このことは経済にとって当然ながらプラスの要因であり、今後はより消費意欲の高まりに期待が持てるかもしれません。現状、市場がや消費者が期待するようなインフレ鈍化や緩和期待が起きるかどうかはわかりませんが、少なくともこれまでの状況とは違ってきたことは確実です。

ソフトランディングの可能性はさらに高まる

インフレの収束は確実に近づいてきており、消費者もそれを実感として感じるようになってきたのでしょう。これまで異常なほどのペースで上昇してきた物価もようやく落ち着きを見せ始め、賃金もきちんと上昇していることから心理的にはかなりの安心材料となっているのでしょう。そこへ来て将来の緩和期待が高まっているということで、かなりのマインドの改善がなされているのだろうと思われます。そういう意味では今後の経済状況は思っているよりは悪くはならないのかもしれません。しかし、現状ではやはりインフレと高金利の影響も小さくはなく、経済の失速の懸念も十分に考えられます。そんな中でも消費者の心理がこれだけ改善しているのであればそこまで大きな失速はしないのではないかという感じがします。そういう意味ではソフトランディングへの道筋がより明るくなっているのかなという感じがします。

まとめ

今日は1月の消費者マインドについて見てきました。インフレの収束と金融緩和期待により消費者のマインドはかなり改善されてきています。そういう意味では非常に経済にとって明るい材料となるのは間違いないでしょう。ソフトランディングの期待も更に高まっており、今後も順調な展開を期待したいところです。