市場の緩和期待はやや行き過ぎ。

最近のマーケットでは金融緩和の時期がいつになるかという話題が付きません。経済指標が発表されるたびに利下げの時期がどうなるかという話が出てきては消えるということが続いています。春にも利下げを期待する声は依然として大きいですが、当局ではそこまで確定的なことは言えないというのが現状のようです。

利下げ期待を牽制

利下げを期待するマーケット参加者にとっては非常に残念な話かもしれませんが、現状ではFRBは明確に利下げを行う意思はないようです。

米地区連銀総裁3人は19日、利下げ時期を巡る決定の指針となるのは今後発表されるデータだと強調するとともに、金融緩和開始のための十分な証拠はまだ見当たらないとの考えを明確に示した。

  サンフランシスコ連銀のデーリー総裁はFOXビジネスのインタビューで、「経済を締め付けないよう、先を見据えて、政策調整がいつ必要なのかを問うのは適切だと考える一方、それが間近だと考えるのは非常に時期尚早だ」と語った。

  「インフレ率が鈍化しているとの一貫した証拠があるだろうか、あるいは労働市場が軟化し始めていることを示す早期の兆候はあるだろうか」とした上で、「これらのいずれの点でも、現時点で調整が必要だとは考えられない」と話した。

  金利先物市場の動向を見ると、米金融当局が3月19、20両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利下げに踏み切る確率はこの数日間に大幅に低下し、19日には50%を割り込んだ。

  デーリー総裁ら当局者は、金融当局が年内の近いうちに利下げを始め、政策金利を大幅に引き下げるとの市場の観測を押し返している。同総裁は今年、FOMCで投票権を持つ。

  アトランタ連銀のボスティック総裁もFOXビジネスとインタビューし、自分の見通しを変更することにやぶさかでないとしつつも、最初の利下げは7-9月(第3四半期)までないと引き続き予想していることを明らかにした。

  ボスティック総裁は「こうした見通しや、いつ利下げ開始が必要になるかについての自分の見解を変えることにオープンだ」と発言。ただ、当局の物価目標に絡み、「景気抑制的スタンスを解除するのに先立ち、2%に向かって順調に進んでいることを確認」したいと述べた。

  昨年12月のFOMC会合後に公表された当局者の四半期経済予測では、2024年には0.25ポイントずつ計3回の利下げが見込まれていることが示唆された。もちろん、実際の政策運営は今後発表されるインフレ統計に左右される部分が大きい。

  26日には、インフレ指標として米金融当局が重視する個人消費支出(PCE)価格指数の昨年12月分が発表される予定だ。

  シカゴ連銀のグールズビー総裁はCNBCのインタビューで、「インフレに関して予想を超える速さの驚くべき進展が続けば、景気抑制の度合いを決める上でそれを考慮に入れなければならない」とし、インフレ鈍化に伴い「対応を評価していくのは明白だ」と述べた。

  グールズビー総裁は最初の利下げ時期について直接コメントしなかったが、予想より速いペースの物価上昇圧力の緩和があれば、インフレ調整後の実質金利が上昇し続けることがないよう確保するため、当局として金利を引き下げる可能性があることを示唆した。

  「それは基本的にデータに関するものだ。2%目標に向けた道筋にあるとの明確な証拠が得られれば、景気抑制の度合いを緩めることができる」と話した。

  これら3人の総裁のインタビューを最後に、米金融当局者は今月30、31両日のFOMC会合を控え、公の場での発言を控えるブラックアウト期間に入った。今月の会合では4回連続となる金利据え置きを決める見通し。

引用:bloombergより

このように多くのFRB関係者から出てくる言葉はまだ利下げの時期ではないというものばかりです。もちろん今後、発表される経済指標が急激に変化すればそのようなことも考えるとは思いますが、少なくとも現状ではそこまで急いで利下げをする必要はないと考えていると思っておいて間違いないでしょう。インフレが以前ほどの勢いがなくなってきたということは事実ですし、景気の先行きも非常に不透明感が出てきています。更に今年は大統領選挙も控えており、より有権者に訴える政策を期待するのも自然な流れなのかなとは思います。しかし、各種経済指標もそこまで利下げを必要としているとは言えず、急いで政策変更が行われる可能性は高くはないのかなというのが正直な印象です。

全てはデータ次第

一時期よりは利下げ期待も小さくなったのかなという感じがしますが、今なおその期待がくすぶっているのも事実でしょう。しかし、個人的にはやはりその可能性は低いのかなという感じがします。経済も力強さはなくなっているとは思いますが、雇用も安定しており、消費も堅調なこともあり、大きく失速するということはまずないと思われます。であればより確実にインフレを抑制するためにも金利は可能な限り維持すべきと考えるのはふつうのコトのような感じがします。もちろんそれが行き過ぎれば景気の失速を招き、ハードランディングを起こしてしまう可能性もあるとは思いますが、現状そこまで経済も雇用も悪いとはとても思えないというのが実態なのかなと思いますし、FRBもそう考えているからこそこのような発言になるのだと思います。ともあれ、全てはデータ次第です。データが急激に悪化すれば緩和も十分選択肢になるでしょうし、いつまでもインフレが強く居座るのであれば引き締めもいつまでも続ける覚悟はあるのだろうと思います。

まとめ

今日は今後の金融政策について考えてきました。結論としてはいつも行っていることですが、全てはデータ次第だということです。それ次第で柔軟に政策を変えてくることでしょう。我々ができることはそのあらゆる事態を想定して準備しておくことだけです。そのことは頭に入れておいたほうがいいでしょう。