小売売上高は今も堅調。インフレ鈍化は期待するほどにはいかない

米異国の消費は未だ堅調に推移しています。昨年12月の小売売上高は大幅増加となり、個人消費は非常に強く推移していることが確認されました。消費が堅調ということで経済も大きく落ち着くことはないと見られますが、物価の動向についてはやや期待しているほどに鈍化はしないのかもしれません。

個人消費は未だ堅調

昨年12月の米小売売上高は市場予想を大きく上回る形となりました。

昨年12月の米小売売上高は3カ月ぶりの大幅増加となった。ホリデー期間の消費は堅調な形で締めくくられ、2024年にかけて個人消費の底堅さが続いていたことを示唆した。 

  自動車を除いたベースの小売売上高は0.4%増加した。 

  13項目のうち9つで増加。衣料品の他、百貨店を含む総合小売店、無店舗小売りでの伸びが目立った。自動車・同部品の売上高は1.1%増。一方、ガソリン価格の下落を背景に、ガソリンスタンドの売上高は3カ月連続で減少した。

  今回の数字は、家計支出がおおむね上振れサプライズとなってきた1年間を締めくくるものだ。エコノミストらのリセッション(景気後退)予測は、そうした状況を背景に実現しなかった。しかし、長引くインフレや借り入れコストの高止まり、貯蓄減少に消費者が直面する中、勢いは2024年に鈍るとエコノミストらはみている。

  キャピタル・エコノミクスの米国担当次席エコノミスト、アンドルー・ハンター氏は「雇用や賃金の伸び鈍化が広がり、金利上昇の遅行効果が一定の打撃を追加的にもたらすのに伴い、さらなる減速がこの先待ち受けていると当社ではなお考えている。だが、より急激な下降が訪れることを示唆する要素はまだほとんどない」と述べた。

  国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高は0.8%増加。昨年7月以来の大幅な伸びを示した。

  小売売上高は主に財の購入を反映しており、これが全体の消費支出に占める比率は比較的小さい。12月の個人消費支出(PCE)全体の数字は今月下旬に公表される。

引用:bloombergより

このように米国の消費者の消費意欲というのは全く落ちていないといっていいのだろうと思います。インフレの鈍化を感じさせるような経済指標が相次いでいたため、今回もそのような結果を期待した人もいたかもしれませんが、そこまで消費は落ち込むことはありませんでした。そういう意味では経済の失速というのはなかなかないのかなという感じです。消費も堅調であり、雇用も安定しているというのであれば経済がそこまで悪化するということはなかなか考えられないのかなと思います。

インフレ鈍化はゆっくりと

しかし、そうなると物価がなかなか下落していかないということになる可能性は高くなったのかなと思います。消費がこれだけ堅調であれば、物価が落ち着いていくということはなかなか考えられません。そういう意味ではインフレが市場が期待するほど鈍化しない可能性は十分にあるのかなという感じはします。今は市場では3月にも利下げが行われるとか、年内に6回の利下げがあるのだろうとか、かなりの緩和を期待している声も大きくなってはいますが、その実現の可能性というのは中菜々難しいのかなというのが現状だろうと思います。

まとめ

今日は12月の小売売上高について見てきました。消費は非常に堅調であり、経済は今のところ大きな下落する心配はないのかなという感じがします。反面、インフレの鈍化も期待するほどにはいかずに、ダラダラと続いていく可能性が高いのかなという感じです。そういう意味では市場の期待というのは今回も裏切られるのかなという印象です。