2024年の利下げは6回行われるという予測は実現するのか

市場では今も今年の利下げがどのようになるのかの話題で盛り上がっています。早期の利上げ観測は最近お経済指標発表によって一喜一憂している状況であり、どうなるかはわかりません。しかし、マーケットはいつもの楽観論を展開しており、今年中に6回の利下げを見込んでいる人もいます。ただ、それにはかなりの条件が重なる必要があるでしょうし、なかなか整うことはないのかなという印象です。

6回の利下げはあり得るのか

市場の期待する6回の利下げについて、ハーバード大のケネス・ロゴフ氏は明確に否定しました。

国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストで、米ハーバード大学教授のケネス・ロゴフ氏は、米経済が「深刻なリセッション(景気後退)」に陥らない限り、トレーダーが2024年に見込んでいる6回の米利下げが実施されることはないとの見方を示した。

  ロゴフ氏は、世界経済フォーラム(WEF)年次総会が開催されているスイスのダボスでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、6回の利下げについて「経済がソフトランディングすれば、それは空想になる。実際に起きることはない。利下げは2回か3回だろう」と述べた。

  その上で、「深刻なリセッションも当然あり得る話で、そうなれば多くの利下げが実施されるだろう。いかにして深刻なリセッションに陥るか私には分からないが、確率は25%だ。実際にそうなれば利下げは6回ではなく、15回もあり得る」と付け加えた。

  一方でロゴフ氏は、このところは多くのことが誤った方向に進んでいるとし、これからの1年が順調に進むとする大勢の見方には同意しかねると指摘。

  「ダボスではそうしたコンセンサスが広がっているようだが、米国に関してより全般的に言えば、驚くほど良かった2023年ほど順調にはいかないだろう。ただ24年も悪くはならない。インフレは鈍化し、ソフトランディングを達成する見通しだ」と語った。

引用:bloombergより

このようにロゴフ氏は述べ、今年中に6回の利下げが行われる可能性はかなり低いだろうということを述べました。確かに6回というのは相当な利下げということもあり、かなり厳しいのではないかという印象です。一応6回の利下げが大勢の意見ということはないとは思います。おそらくは3回程度と見ている人が多い印象です。そういう意味でも6回の利下げはかなりの楽観的な予想と言っていいのかなと思います。

いつもの楽観論

今日もマーケットはいつもの楽観論を展開しているという感じがします。私も多くの識者も多くは3回程度と見ている人が多いような気がします。その中でも6回というのはかなり極端な見込みなのかなという印象です。実際、昨日はFRBのウォラー理事も利下げの可能性について言及していましたが、流石にここまでの利下げについては見込んでいるようには見えません。むしろ安易な緩和期待に釘を刺すような物言いであり、市場の楽観論を牽制したような形です。そういう意味でもやはりここまでの利下げというのは絶対にないとは言いませんが、可能性は限りなく低いのかなという印象です。

まとめ

今日は今年の利下げ観測について考えてきました。流石に6回の利下げというのはありえないのかなという印象です。聞いたときはネタ記事なのかなと思いましたが、意外とそのように考えている人もいるようで、そういう意味でも否定する発言が出てきたのかなという感じがします。今のところはハト派でも今年中頃から後半に利下げが可能であろうと見ており、3月など早期の利下げ事態がかなり可能性が低いというのが現状です。そういう意味ではやはり市場の楽観論は今回も先走りということで終わるような気がします。