金融緩和がなされるということはそれだけ経済が悪いということでもある

マーケットでは金融緩和期待により非常に楽観的になってきているように思います。今年は時期や回数は様々予想されていますが、利下げが行われること事態はほぼ間違いないと思われます。そういう意味でも経済見通しを強気に見ている向きもありますが、現実はそこまで楽観的には行かないのかもしれません。

企業業績は厳しい

昨日、今後の景気動向についてやや厳し目の予想が出ていました。

米国の底堅い景気に支えられ、株式相場は企業の利益予想と連動し上昇しているが、歴史に照らし合わせれば、迫りつつあるとみられる利下げによってこのシナリオは崩れる可能性がある。

  市場は金利低下を熱望しているが、それは企業収益にとって実際には良いことではないかもしれない。通常、米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げするのは景気が後退に向かう局面であり、アナリストの楽観的な予測はこの点を考慮していないようだ。米国では、インフレ率と生産者物価が総じて低下傾向にあることからFOMCは早ければ3月に利下げに踏み切るとの見方もある。

  ソシエテ・ジェネラルのクオンツ・ストラテジスト、アンドルー・ラプソーン氏はリポートで「利益の減少と金利は密接に連動する傾向にある」と指摘。現在の予測は「非常にバラ色の見通し」を反映しているという。同氏は「これは嵐の前の静けさなのか」と続けた。

  世界の株価はこの1年、上昇する業績見通しに支えられ約16%上昇した。利幅は過去最高水準で推移しており、アナリストは予想を引き上げ続けてきた。

  キャピタル・ドット・コムのシニアマーケットアナリスト、カイル・ロッダ氏は、この先「利益予想が下方修正され、それを反映して株価が下落するか、利下げ観測の後退に伴い、株価が下落してマルチプル(投資尺度)が圧縮されるか」とみている。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、MSCIワールド指数の向こう12カ月の企業利益は、今年と来年にそれぞれ10%と8%余りの伸びが見込まれており、コンセンサスは今も非常に強気な見方だ。

引用:bloombergより

このように、今後の経済や株式の見通しについてやや厳しい見方をする人が多くなってきたような気がします。金融政策についても今後は緩和方向への期待が高まっており、株価もそれを単純に交換しているような動きを見せていますが、裏を返せば金融緩和が行われるということはそれだけ経済が脆弱になっているということでもあり、そのことが表面化してくれば株式市場にも影響は出てくるというのは確かなのかなという感じがします。現在は金融緩和をかなり織り込んでいるような状態であり、それが裏切られるようになれば急激に株価も下落するということもないこともないのだろうと思います。そういう意味では今の楽観的な空気というのは今後修正される可能性もあるのだろうと感じます。

楽観論は修正されるだろう

今回の話というのはよくよく考えれば当然なことなような気はします。金利が引き下げられるというのはそれだけ経済状況が悪いという事でもあり、そうであれば株価も強い動きをするということもないでしょう。そういう意味では行き過ぎた動きが修正されることも十分にありえると思います。少なくとも現在の米国経済は株式市場が考えているほど強くはないというのは事実でしょう。成長率も非常に低調であり、とても強気になれるとは思えるような状況ではありません。そういう意味ではこのような指摘も間違いではないのだろうと思います。

まとめ

今日は今後の経済見通しについて見てきました。金融緩和期待によってやや期待先行の状態になっていることは事実でしょう。実際はそこまで米国経済は強くはないと思います。もちろん弱くもないですが、市場が期待するほどではないのではないかと思います。だからこそ金融緩和が求められているのであり、そのことに市場がそのうちに気づくことにはなるのかなという感じです。そうなれば株価もまた弱く推移することもあるのだろうともいます。