グランサム氏の悲観論は今日も絶好調。

インフレの落ち着きなどを受けて今後の先行きについてやや楽観的に見る動きが出てきていますが、当然ながらまだそれを疑っている人たちもいます。もちろん、それをどうこう言うつもりはありませんが、どんな状況でも悲観的に物事を見られるというのはある意味すごい才能であると言えるのかもしれません。

いつもの悲観論

米国でも有数の悲観的な論評をすることで有名なジェレミー・グランサム氏は今後の先行きについて以下のような見解を述べています。

米資産運用会社グランサム・マヨ・バン・オッタールー(GMO)の共同創業者ジェレミー・グランサム氏は、金利上昇による影響がいずれ経済に打撃を与え、リセッション(景気後退)を回避できるとの米金融当局の期待に冷や水を浴びせることになるとの考えを示した。

  グランサム氏はインタビューで、景気後退は回避可能とのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の見方について聞かれ、「間違っているのはほぼ確実だ」と答えた。グランサム氏は2000年や2008年に起きた市場の急落を予見するなど、悲観的な予測で知られる。

  パウエル議長は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の会見で、過去の多くの引き締め局面で見られたような高水準の失業を伴う深刻な景気低迷を経験することなく、インフレを目標水準に回帰できるというのが基本シナリオだと説明。また、FRBスタッフは年内に緩やかなリセッションに入るとはもはや予想していないと明らかにした。

  だが、グランサム氏はこの目標は実現困難だろうと話す。「インフレは過去10年の平均のような低水準に戻ることはない」とし、「われわれはやや高めのインフレ期間に再び突入した。そのため金利も緩やかに高くなる」と指摘。低金利は資産価格を押し上げ、高めの金利は資産価格を下押しするとした上で、「今は金利が平均して過去10年を上回るであろう時代にある」と述べた。

引用:bloombergより

このようにグランサム氏の悲観論は今もなお健在です。最近ではインフレの落ち着きと予想外に堅調な雇用などを受けて比較的楽観的な意見に変わる人も多いですが、グランサム氏にとっては全く関係なかったようです。グランサム氏は過去にも大きな景気後退を的中させたとして悲観論者として有名です。そういう意味では特に大きなサプライズではありませんが、現在の状況を持ってしてもグランサム氏の意見を変えることができないのだなという感じがします。

頭の片隅に入れておいたほうがいい

この人は常に悲観的なことを言っているので、正直あまり参考にはならないなとは思います。過去に景気後退を的中させたといいますが、しょっちゅうそんなことばかり言っていればいつか当たることはあるでしょう。問題はその的中率がどの程度かということですが、おそらくはそれほど高くはないのではないかと思います。そういう意味ではあまり深刻に考える必要はないのかもしれません。しかし、グランサム氏の指摘が全く的外れということはないと思いますし、どんなときでも常に最悪の状況を想定しておくということは大切なことです。そういう意味ではグランサム氏の意見も頭の片隅に入れておいたほうがいいでしょう。

まとめ

今日は今後の先行きに対する悲観的な論評について見てきました。今後の展開がどうなるかについてはわかりませんが、今の所考えられていたよりは悪くはならないだろうというのが大勢だと思います。しかし、そうならない可能性も十分にあるので、あらゆる可能性を考慮する意味でもこのような悲観的な意見も聞いておいたほうがいいでしょう。