生産者物価も落ち着きを見せ始める

インフレは確実に抑制されてきているようです。先日の消費者物価に続き生産者物価でも上昇率がかなり鈍化してきていることがわかりました。そのため今後のFRBの金融政策にも大きな影響を与えることになる可能性が高くなったと言っていいでしょう。

生産者物価も落ち着きを見せる

昨日発表された6月の生産者物価指数は非常に低い伸びとなり、インフレが確実に落ち着いてきていることが確認されました。

6月の米生産者物価指数(PPI)は前年同月比で約3年ぶりの低い伸びとなった。前日発表の消費者物価指数(CPI)に続いて物価圧力の緩和を浮き彫りにする内容となり、インフレ抑制に取り組む米金融当局者にとっては安心材料となりそうだ。 

  グローバル・サプライチェーンの正常化や商品相場の安定、消費者需要の財からサービスへのシフトが広がっていることは、総じて生産者レベルでのインフレ圧力緩和に寄与している。

  財の価格は前月比でほぼ横ばい。前年同月比では4.4%低下と、過去3年余りで最大の落ち込みとなった。物価下落という形で消費者に浸透すれば、いわゆるデフレ状態となる。

  食品とエネルギーを除くコアPPIも前月比でわずかな上昇にとどまり、前年同月比では2021年1月以来の低い伸びとなった。

  ヘルスケアなどPPIの幾つかのカテゴリーは、米金融当局が重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数の算出に用いられる。ヘルスケア分野のうち、いくつかのカテゴリーは前月比でほぼ横ばい。入院費用は上昇が加速し、介護施設の費用は低下した。

  食品とエネルギー、貿易サービスを除いたPPIは前年同月比2.6%上昇と、2021年2月以来の低い伸び。

  生産過程における比較的早い段階での物価を反映する中間財のコストは、前年同月比9.4%低下と、2009年以来の急激な落ち込みとなった。

引用:bloombergより

このように米国のインフレは確実に落ち着いてきています。先日の消費者物価に続き、生産者物価もこれだけ落ち着いてきているということは、金融政策への影響も小さくはないでしょう。今後景気後退が予想される中、金融政策により柔軟性をもたせることが可能となるため、FRBにとっては朗報と言っていいのかなと思います。

まだまだ油断は禁物

今回の発表は素直に喜ぶべきことだと思います。消費者物価に続き、生産者物価でもこれだけの落ち着きを確認できたということは確実にインフレは収束に向かっていると言っていいのだろうと思います。7月の利上げについてはおそらく25bpになるとは思いますが、その後はしばらく金利を維持する可能性が高くなったと言っていいでしょう。当初はあと年内に2回の利上げが行われるのではないかという観測も出ていましたが、この状況が続くのであればもしかしたら7月の利上げが最後の利上げになる可能性も高くなったのかなと感じます。もちろんインフレは目標の2%にはまだまだ遠く及びませんし、安心はできません。しかし、全く将来が見えないという状況ではなくなったような感じです。楽観は禁物ですが、少しは希望を持ってもいいのかなと感じています。

まとめ

今日は6月の生産者物価について見てきました。物価は確実に落ち着いてきています。それはもう断言してもいいのでしょう。非常に良い兆候です。しかし、まだインフレとの戦いは終わりではなく、終了までは油断せず気を引き締めていくべきだと思います。