米国の企業活動は低迷

インフレに関してはやや明るい兆しは見えてきましたが、景気については未だその不確実性は払拭されていません。経済活動を示す指標というのは非常に不調なものが多く、今後の景気後退の可能性を強く意識させるものが相次いで発表されています。そういう意味でもインフレが落ち着いたとはいえまだまだ希望は見いだせない状況かなという感じがします。

企業活動は低迷

昨日発表された7月のPMIは非常に低水準なものとなり、企業活動が低迷してきていることが確認されました。

S&Pグローバルが24日発表した米国の製造業・サービス業を合わせた7月の総合購買担当者指数(PMI)速報値は、5カ月ぶり低水準となった。サービス業の活動の伸びが鈍化した。

  今後の活動見通しに関する指数は年初来の低水準に落ち込んだ。サービス業で楽観が後退した。

  S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「見通しが悪化しており、それが向こう数カ月における生産拡大の下振れリスクを高めている。加えて7月は活動の拡大ペースが減速しており、米経済が年内に再び低迷に見舞われるのではないかとの懸念は解消されないだろう」と指摘。「物価圧力の根強さは引き続き大きな懸念だ」と述べた。

  総合指数では仕入れ価格指数が若干上昇し、インフレ圧力が根強く続いていることが示唆された。製造業における投入価格の指数は3カ月ぶりに上昇した。

  サービス業では営業経費の増加が報告された。従業員の引き留めに関して厳しい状況が続く中、主に賃金の上昇が影響した。サービス業PMIも5カ月ぶり低水準。

  製造業活動は7月も縮小圏となったが、前月からは改善した。国内外の需要が引き続き軟調な中、製造業者は素材や完成品の在庫削減に動いた。

引用:bloombergより

このように米国経済はややその活動を鈍らせてきています。インフレは落ち着いてきたとはいえまだまだ高い水準を維持しています。そういう意味では消費活動が旺盛になるということはあまり期待できません。一時期は経済活動再開の反動需要等で非常に好調だったサービス産業なども最近はやや低迷気味なようです。そういう意味では今後この調子が変わらないようであれば米国経済が非常に低迷する可能性は十分にあるのだろうという感じがします。

まだ楽観はできない

インフレが落ち着き、ようやく明るい兆しが見えたかに思えましたが、まだまだ楽観はできません。以前より年内にも景気後退に陥るのではないかという観測は出ていましたが、その可能性というのはまだ十分にあるのだろうという感じがします。インフレが相当落ち着いたということでその確率はやや低くなったとは思いますが、そんなに簡単には行かないのでしょう。実際、企業業績というのは以前ほど良いものは聞かれないような気がします。個別企業ごとに見れば良いところもありますが、全体としてはやはり振るわないという感じは否めません。そして今後もその流れが継続されそうということになれば年後半に向けて企業業績がさらに悪化し、株価低迷の可能性も十分にあるのでしょう。その可能性というのはあために入れて置かなければいけません。

まとめ

今日は米国の企業活動について見てきました。米国経済の回復というのはまだまだ先のようです。インフレが落ち着きを見せたということで少し安心感も出てきましたが、落ち着くのはまだ早いというところでしょう。一時期よりはその可能性は少なくなったとはいえ、米国経済のリセッションの可能性はまだまだあるということです。